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1998 年度 実績報告書

量子ダイナミックスによる準安定状態の緩和

研究課題

研究課題/領域番号 10044084
研究種目

国際学術研究

応募区分共同研究
研究機関大阪大学

研究代表者

宮下 精二  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10143372)

研究分担者 VINCENT E.  サクレー研究所, 主任研究員
YAUNG A.P.  カリフォルニア大学(サンタクルツ), 物理学科, 教授
DE Raedt H.  グローニンゲン大学, 理論物理学科, 教授
川島 直輝  東京都立大学, 理学部, 助教授 (30242093)
福山 秀敏  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10004441)
キーワード準安定緩和 / 量子ダイナミックス / ナノスケール磁性体 / 非断熱遷移
研究概要

量子揺動が顕著になる低温において、熱的な励起ではなく量子揺動のためによる準安定状態の緩和の機構について理論的定式化を行ってきた。特に、純粋に量子力学的な現象として非断熱遷移による現象の特徴を明らかにした。特に、外場を時間的に掃引したときの時間の変化や、交流外場のもとでの干渉現象などにおける特徴を周期ごとの時間発展演算子(フロケ演算子)の固有値問題として研究し、磁性体や伝導系に応用した。さらに、格子との相互作用の効果を調べるためボゾン系と結合した場合の非断熱遷移の性質も詳しく調べ、通常エネルギー準位の幅といわれるものの意味についての具体的機構を考察した。その上で緩和過程の効果を考える具体的理論的枠組みを熱浴と結合した系において熱浴の自由度を消去した縮約密度行列の方法で作り、実際の微小磁性体のヒステリシス現象に応用した。また、量子揺動が大きな系での電子スピン共鳴の吸収曲線に関する新しい方法を開発し、共鳴磁場の温度変化の空間的な構造依存性を明らかにするとともに、これまで困難であった吸収の線幅を双極子相互作用から第一原埋的に求めることができた。最近興味を集めている様々な量子スピン相における特徴を明らかにしようとしている。また、量子系では絶対零度での不確定性原理による揺動が残り、古典系とは異なる無秩序相の存在が知られているが、そのような現象をもたらす量子揺動は系の不均一さと相乗効果を発揮して新しい特徴を持つ状態を生じさせる。このような効果の典型例として、非磁性原子で希釈した2次元反強磁性ハイセンベルグ模型(スピン1/2)の基底状態でのグリフイス相の特徴を量子モンテカルロ法で研究した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T.Ikegami,S.Miyashita and H.Rieger: "Griffiths-McCoy singulatities in the transvers field Ising model on the randomly diluted square lattice" J.phys.Soc.Jpn.67. 2671-2677 (1998)

  • [文献書誌] X.Hu,S.Miyashita and M.Tachiki: "Monte Carlo Simulation on the First-Order Melting Transition of High-T_c Supercon-ductors in B c" Phys.Rev.B58. B58. 3438-3445 (1998)

  • [文献書誌] M.Nishino,K.Yamaguchi and s.Miyashita: "Switching dynamics between metastable ferromagnetic state and nonmagnetic equilibrium state." Phys.Rev.B58. 9303-9311 (1998)

  • [文献書誌] K.Saito,S.Takesue and S.Miyashita: "Thermal conduction in the Creutz Cellular Automaton" Phys Rev. E. 印刷中 (1999)

  • [文献書誌] h.Kobayashi,N.Hatano and Seiji8 Miyashita: "Non-Adiabatic Transition in Spin-Boson Model and Generalization Formula of the Landau-Zener" Physica. A. 印刷中 (1999)

  • [文献書誌] S.Miyashita,T.Yoshino and A.Ogasahara: "Direct Calculation of Dynamical Susceptibility in Strong Fluctuating 9案津mSpin Systems" J.Phys.Soc.Jpn.68. 655-677 (1999)

  • [文献書誌] C.Pich,A.P.Young,H.Rieger and N.Kawashima: "Critical Behavior and Grifriths-McCoy Singularitigs in the Two-Dimensional Random Quantum Ising Ferromagnet" Phys.Review detters. 81巻. 5916-5919 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2018-07-27  

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