研究概要 |
本国際共同研究では化学反応系の多次元性に重点を置きながら、化学反応が、(a)時間に依存した量子動力学過程である事と、(b)非線形・非平衡・非定常過程である事、の2点に焦点を当てて以下の2つの基礎的な研究題目を進めた。 (1)大自由度多次元系である化学反応系の粗視化モデルの理論構築、 (2)古典非可積分力学系の微視的散逸過程の発現メカニズムの解明、 最終年度である本年度は、研究計画書並びに交付申請書記載の研究計画に沿って、以下の共同研究を進めた。 1、長岡は,今年度は海外出張の日程が調整できなかったため電子メール等による通信手段を用いて、Gaspard博士と量子拡散過程に関する波動関数アプローチ(量子状態拡散モデル)に関する共同研究を進め、非マルコフ的確率シュレディンガー方程式を導入し、スピン-ボソンモデルに適用した。 2、田崎は、平成11年6月30日から7月26日までブリュッセル自由大学(ベルギー)にてGaspard博士とエネルギー座標を含む多重パイこね変換における微視的散逸機構や間欠性を示す写像の発展演算子のスペクトル分解などに関する共同研究を発展させた。 3、また、長岡と田崎はGaspard博士との上記の共同研究を通して得られた成果を、部分的に学会発表し、かつ論文として公表した。
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