グローバルCO_2リサイクルのための新触媒および新電極の創製

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10044118
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 浅見 勝彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20005929)
• 研究分担者: 幅崎 浩樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50208568) ; 川嶋 朝日 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50005964)
• キーワード: 二酸化炭素リサイクル / アモルファス / ニッケル-ジルコニウム合金 / 触媒 / 水素発生電極 / 酸素発生電極 / ニッケル-モリブデン合金 / α-MnO_2型酸化物電極

研究概要

これまでに、液体急冷アモルファスNi-Zr合金リボン触媒が高活性であることを見い出している。そこで今回は大量生産に有効なガスアトマイズ法によりNi-Zr,Ni-Zr-Sm合金急冷凝固粉末を作製し、その触媒能を評価した。Ni-40Zr合金粉末触媒は従来の含浸法触媒よりも高活性を示すが、アモルファスNi-40Zrリボン触媒より低活性であった.これは合金凝固時に生成される強固なジルコニア皮膜によって酸化処理中に酸化が十分に進まず、ジルコニア担持ニッケル触媒が生成されなかったためであった。そこでサマリウム5at%添加することにより酸化を促進させジルコニア担持ニッケル触媒の生成を促し、二酸化炭素のメタン転換率85%の高活性を実現できた.
スパッター法で作製したNi-Mo合金は高温濃厚NaOH中で水素発生反応に対し高い活性を有するが、合金層の剥離により耐久性が低下するという問題があった。そこ下地と堆積膜の密着性が良好なアークイオンプレーティング法を用いてニッケル基板上にNi-MoおよびNi-Mo-Oを蒸着させ、電極を作製した。その結果少量の酸素を含むNi-Mo合金電極は高い活性と耐久性を有することが判明した。最適組成はNi-(10-20)at%Mo-(5-10)at%Oであり、電流密度4x10^3A/m^2での水素過電圧は100mVより低い。
IrO_2を被覆したTi上にアノード電着によりMoあるいはWを含むMnO_2型酸化物を被覆した電極は塩素をまったく発生せず酸素のみの発生が可能であることを既に見い出しているが、さらに電極電位を減少させたり、耐久性を増大させる必要がある。そのため、MoとWを複合添加しこれらの改善を試みた結果、複合添加が有効であることが分かった。

研究成果

• [文献書誌] K.Fujimura: "Anodically deposited manganese-molybdenum oxide anodes with selectivity for evolution oxygen in electrolysis of seawater"J.Appl.Electrochemistry. 29. 765-771 (1999)
• [文献書誌] A.Kawashima: "Ni-Mo-O Cathodes for hydrogen evolution in hot concentrated NaOH Solution"Mater.Sci.Eng.. A267. 246-253 (1999)
• [文献書誌] K.Fujimura: "Oxygen eyolution anodes in Seawater electrolysis"Mater.Sci.Eng. A267. 254-259 (1999)
• [文献書誌] K.Hashimoto: "Global CO_2 recycling-Novel materials and prospect for prevention of global warming and abundant energy svpply-"Mater.Sci.Eng.. A267. 200-206 (1999)
• [文献書誌] M.Yamasaki: "CO_2 methanation catalysts prepared from amorphous Ni-Zr-Sm and Ni-Zr-misch metal alloy precursors"Mater.Sci.Eng.. A267. 220-226 (1999)
• [文献書誌] K.Fujimura: "The durability of manganese-molybdenum oxides for oxygen evolution in seawater electrolysis"Electrochim.Acta. (印刷中). (2000)
• [文献書誌] K.Suetsugu: "Ni-Fe alloy new electrodes for chlor-alkali electrolysis"Chlor-Alkali and Chlorate Technology, The Electrochemical Society. (印刷中). 169 (2000)
• [文献書誌] K.Hashimoto: "Global CO_2 recycling-Novel materials,reduction of CO^2 emission,and prospect-"Advances in Materials Research. (印刷中). (2000)