研究課題/領域番号 |
10044120
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川上 彰二郎 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (10006223)
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研究分担者 |
ペンドリー J.B. インペリアルカレッジ, 物理学科, 教授
ラッセル P.st.J. バース大学, 物理学科, 教授
佐藤 尚 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (30261572)
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キーワード | フォトニック結晶 / サブミクロン周期構造 / フォトニック・バンドギャップ / 偏光子 / 偏光分離素子 / rfスパッタリング / スパッタエッチ |
研究概要 |
(1) 3次元フォトニック結晶中の垂直チャンネル導波路の作製と評価 バイアススパッタとスパッタエッチの併用プロセスにおける、膜の凹凸形状の自己整形作用(自己クローニング効果)を用いて、SiとSiO_2からなる3次元フォトニック結晶を作製した。また、予め欠陥部を設けた基板上に積層を行なうことで、線状の欠陥列からなる光導波路を作製した。光学測定の結果、波長1.1μm付近において、周囲のフォトニック結晶と欠陥部の構造の違いによる光の導波作用を確認した。 (2) 2次元フォトニック結晶偏光分離素子の作製、解析と評価 周期的な溝列を形成した基板上に自己クローニング効果を利用してSiとSiO_2の多層膜を積層し、2次元フォトニック結晶を作製した。入射光のうち片方の偏波のみがフォトニックバンドギャップ中にあるような波長の光を入射したところ、同偏光は反射され、他方の偏光は透過する「偏光分離素子」として機能することを確認した。測定の結果、波長1.55μmにおいて透過光の挿入損失は0.4dB以下、ストップバンド偏光の消光比40dB以上と、優れた性能を有することが明らかとなった。 (3) 機能物質のフォトニック結晶中への取り込み バンドギャップの拡大をねらって、金属や非線形媒質などをフォトニック結晶中へ取り込むためのプロセス技術の確立を図った。現時点でアルミニウムと金の層をSiO_2多層膜中に取り込むことに成功した。 (4) ブラッグ反射型光導波路の解析 フォトニック結晶中の導波路の動作機構を理解するために、構造の単純な1次元多層膜をクラッドにもつスラブ型導波路のモード解析を行なった。構造が簡素なために解析的取り扱いが可能であり、計算の結果、高周波側に遮断周波数が存在すること、双曲線関数型の固有界が存在し得ることなど、従来の誘電体導波路とは大きく異なる特性を発見した。
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