研究課題/領域番号 |
10044121
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
戒能 俊邦 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (00281709)
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研究分担者 |
伊藤 弘昌 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20006274)
中西 八郎 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (50240651)
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キーワード | 光機能材料 / 高分子光導波路 / イオン結晶 / 結晶成長 / 分極処理 / ドライエッチング / 屈折率 |
研究概要 |
有機光機能材料は光導波路化によって高速光スイッチ素子、位相変調素子、あるいは波長変換素子に応用できる。このため、光機能性有機材料を用いた新しい機能を有する導波路作製を行った。光機能性を有する有機イオン性結晶DASTの導波路化を進め、新しいフォトプロセスを開発した。この光導波路はプロセス的に高分子導波路との一体化が可能であり、新しい有機導波路構築の可能性が明らかとなった。DAST結晶の結晶成長方向の異方性、すなわち(100)方向が(-100)方向に比べ、また(001)方向が(00-1)方向に比べそれぞれ結晶成長が早く進行することを見い出し、これを活用して高分子基板中に形成した溝を活用してDASTの有する光機能発揮に必要なb軸方位にリッジ構造を有する結晶成長に成功した。 光機能性色素を透明高分子に分散する材料系としてポリスチレンを選択し、DAST微粉末が均一に分散することを見い出した。これは機能性高分子薄膜形成およびドライエッチングによるチャンネル導波路化の可能性を示すものである。さらに新材料合成に関し、新しいスチルバゾリウム系機能色素の合成を進め、数種の有望材料を見い出した。 機能性イオン結晶光導波路の応用として、バルク結晶でテラヘルツ波発生を実現できているDASTが、リッジ光導波路のクラッド処理によって、高効率テラヘルツ波発生の可能性を有することを見い出した。そこで、ドイツのハンリヒハーツ研究所(HHI)と共同で新規なクラッド形成法を発案・検討し、任意の深さのクラッド形成に見通しを得た。この結果マルチモードおよびシングルモードの光導波路形成が可能となった。このように有機光機能材料を用いた光導波路の構築に関し、本研究課題の推進によって、従来に無い新しい有機光機能導波路が実現できた。
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