研究分担者 |
BISHNOI P.Ra カルガリー大学, 工学部, 教授
小出 仁 工業技術院地質調査所, 主任研究官
西山 孝 京都大学, 大学院・エネルギー科学研究科, 教授 (70026227)
増田 昌敬 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50190369)
山冨 二郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70107548)
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研究概要 |
本研究は,温暖化ガス排出量削減法としてのCO_2の地層隔離について技術的及び経済的観点から考察した。それらの結果は以下の通りである。 1) CO_2地下貯蔵設計に必要とする粘度鉱物の膨潤挙動に関する数字モデルを構築し,地層の応力,変位,体積膨張/圧力上昇を解析するFEMプログラムを作成した。 2) CO_2-CH_4-Neohexane-NaCl-H_2O系に対するハイドレート形成の初期平衡圧力が絶対温度274.1276.2Kの間で測定された。さらにCH_4-Rplypropylene Glycol-NaCl-H_2O系に対してもハイドレート形成の初期平衡圧力が絶対温度274.2〜282.7Kの間で測定された。 3) 純水中での窒素と二酸化炭素の混合物に関するハイドレート形成の初期平衡条件について実験を行い,三和(液水,気体,初期固体ハイドレート)の平衡データが得られた。等温下での平衡圧力は気体形成の非線的関数となる。 4) 深海における学術ボーリングデータに基づいて,CO_2圧入の場所として2つ考えられる。1つは天然ハイドレートを含む堆積層内である。他は玄武岩地殻内である。これまでの情報から,海洋地殻内に大量のCO_2を貯留できることが指摘された。また圧入CO_2の挙動を定量的に把握するために長期間のモニタリングが必要である。 5) 石油分野の数値シミュレータを用いて超臨海状態下での帯水層内へCO_2を圧入したときの流動挙動についてシミュレーションを行い,帯水層内の圧力上昇と自由ガス発生について明らかにした。 6) 臨界温度以下の液相状態で海底下帯水層にCO_2を圧入するシステムに関して,帯水層の透水量係数,圧入レート,圧入チュービング直径及び圧入井の数を決定するための計算方法を提案した。 7) カナダ・アルバータ州における陸上でのCO_2地下貯蔵システムに関する経済的リスク分析手法を海底下帯水層へ応用することを提案した。
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