研究課題/領域番号 |
10044126
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
玉井 哲雄 千葉大学, 工学部, 教授 (80114297)
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研究分担者 |
土本 俊和 信州大学, 工学部, 助教授 (60247327)
大場 修 京都府立大学, 人間環境学部, 教授 (20137128)
伊藤 裕久 東京理科大学, 工学部, 助教授 (20183006)
モリス マーティン 千葉大学, 工学部, 講師 (20282444)
藤川 昌樹 筑波大学, 社会工学系, 講師 (90228974)
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キーワード | 城下町 / 寺内町 / 邑城 / マウル / 町割 / 町家 / 土地区画 / 都市計画 |
研究概要 |
昨年度の日本の近畿地方の代表的な都市、そして韓国の代表的な邑城の調査を基礎に、本年度はソウルの内需洞の伝統的な様式を継承した都市住宅の調査、そして、日本における東北地方の代表的な都市の調査を行った。 ソウルの内需洞は1920年代から1960年代にかけて都市化にともなって開発された住宅地である。韓国側の調査に参加して実測と聞き取り調査を行うことにより、両班層や貴族の伝統的な住宅形式が、近代の都市住民にどのような形で継承されていくかがあきらかになった。この結果から、逆に伝統的な住宅の特質を考える手がかりが得られる可能性が十分あることが確認できた。同時期の日本における都市住宅の形成過程と比較することによって問題点はより鮮明になるはずで、韓国側の研究者による研究成果をもあわせて今後の研究課題としたい。 日本の東北地方では、仙台(宮城県)、平泉(岩手県)、酒田湊(山形県)、会津喜多方・会津若松(福島県)などの歴史的な都市を訪れ、それぞれの都市の現場において教育委員会、博物館などの担当者に説明を受け、議論も行った。仙台においては青葉城本丸の石垣整備工事の過程で現在の石垣の下層に古い時代の石垣があることが確認でき、城下町における城郭ないしその石垣のもつ意味を考える重要な手がかりが得られた。このことは石垣で周囲を囲われた韓国の邑城と比較する際にも重要な視点となる。平泉においては現在進行中の発掘現場を見ることができ、12世紀段階の都市の計画あり方が韓国との比較でどのような意味を持つのかが議論された。その他の都市においても得られた知見は多く、日本と韓国の比較都市史の基盤を築くことができた。
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