研究概要 |
今年度は、1)球状トカマク(ST)とFRC(逆転磁場配位配位)中間領域に絶対極小磁場配位を持つ第2安定STを実現、2)初の試みであるSTとFRCが合同した形のワークショプの開催、3)1)のNational Spherical Torus Experiment (NSTX)への適用を目指した日米共同実験計画の策定、4)東京大学でのUniversity of Tokyo Symposium 2000 on Magnetic Reconnection in Space and Laboratory Plasmasの主催、5)プリンストン大学でFRC大型プロジェクトSPIRITの検討と提案を行う等、大きな進展があった。まず、Ono,Jiらの来日を得て東京大学TS-3装置が中心となってSTとFRCの中間領域の実験を進めた結果、FRCに後からトロイダル磁場を印加して生成した高ベータSTに絶対極小磁場配位が実現されていること、さらに熱圧力の計測からそれがバルーニング不安定の第2安定領域に位置していることを証明した。この結果は小野の1999年米国物理学会の招待講演となり、さらに小野、桂井、Peng,Ji,Ono,Yamadaらが中心となってSTとFRCが合同した形のワークショップを初めてシアトルで行って、ST-FRCの中間領域について大型実験が必要であるとの総括をPengが行うに至っている。また、National Spherical Torus Experiment (NSTX)は順調に立ち上がり、Onoを東京大学に招聘してTS-3同様のSTとFRCの中間領域の高ベータSTの生成をNSTXで行う日米共同実験計画を策定した。一方、小野が東京大学における国際シンポジウムを主催してプラズマ合体によるSTの初期加熱やFRCへの理解を進ね、一方で、小野、Yamada、Ji、Jardin、Pamphreyがプリンストン大学でFRCのNBI加熱とSTとの中間領域の検証を目指した大型プロジェクトSPIRITを提案し、コンパクトトーラスの相互関係やその特性を生かした最適化について共通理解を得ることができた。
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