研究概要 |
本研究を通じて、1) 球状トカマク(ST)とFRC(逆転磁場配位)中間領域における超高ベータ・第2安定STの実現、2) 1)を受けたNational Spherical Torus Experiment (NSTX)での日米共同実験計画の策定、3) IAEA-Techinical Cometee Meeting(TCM)やUS-Japan FRC-ST WorkshopにおけるSTとFRCの分野融合、4) University of Tokyo Symposium 2000の主催、5) 大型プロジェクトSPIRITの提案等、大きな進展があった。まず主要課題として1)を位置づけ、東京大学TS-3装置でスフェロマック合体によって生成したFRCに後からトロイダル磁場を印加する手法で超高ベータSTの生成に成功した。米国のPeng,Ji,Ono,YamadaらとGAの理論グループを巻き込んだ理論研究に発展し、このSTは超高ベータトカマクに特徴的な反磁性とベータ値は60-70%を有し、STとしてはじめてバルーニング不安定に対する第2安定化領域に入ったことが立証された。この成果は1999年米国物理学会の招待講演やIAEA国際会議講演に選ばれた。NSTXは順調に立ち上がり、現在閉じ込め時間を0.1秒まで、β値を20%まで延長し、トカマクに類似した高い閉じ込めの高ベータの両立に成功している。Onoを東京大学に招聘してTS-3同様のSTとFRCの中間領域の高ベータSTの生成をNSTXで行う日米共同実験計画を策定した。これらの成果を受けたSTとFRCが合同した国際会議として98年IAEA-TCMを東京大学で、99年にはFRC-ST Workshopを行なってST-FRC中間領域の研究を学術的に確立し、Pengがによる同分野の大型実験が必要との総括や大型プロジェクトSPIRITの提案がなされるに至っている。
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