研究課題/領域番号 |
10044129
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桂井 誠 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70011103)
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研究分担者 |
井 通暁 東京大学, 大学院・工学系研究科, 文部省特別研究員
板垣 敏文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60242012)
小野 靖 高温プラズマ研究センター, 助教授 (30214191)
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キーワード | 磁気リコネクション / 異常抵抗 / 駆動型磁気リコネクション / イオン異常加速 / プラズモイド / 電流シート |
研究概要 |
本年度は、1)磁気リコネクションの高速化機構として、第1にプラズモイド放出、第2に3次元かつ局所的な磁気リコネクションといった電流シートからのプラズマ放出が重要との共通認識がTS-3、MRX、TC-3Dの3実験と太陽・地球磁気圏観測で得られたこと、2)異常抵抗の原因がTS-3、MRX両実験で検証が進んできたこと、3)2000年3月にUniversity of Tokyo Symposium 2000 on Magnetic Reconnection in Space and Laboratory Plasmasを小野、寺沢、柴田が主催し、本国際共同研究グループを中心として太陽・地球磁気圏の衛星観測や理論・計算機解析グループが一堂に会して、実験室で得られた磁気リコネクションのプラズマ放出や粒子運動的効果について共通認識が得られたことなど極めて大きな進展があった。自発的なリコネクションへの発展機構を担当した日米は桂井、小野、山田の相互訪問を通じ、高速電源による高速合体が可能なTS-3/4が外部駆動型リコネクションを高速化する過程で2次元リコネクションが局所・3次元リコネクションへ転移することを見いだした。低速だが持続時間が長い MRXは、2次元リコネクションながら電場・磁場揺動が電流シートの異常抵抗に関与していることを見いだし、TS-3で昨年認められた異常抵抗と良い一致が得られた。TC-3Dでは電流シートが存在しうる外部3次元磁場の許容範囲を明らかにし、フランクが来日してTS-3の3次元リコネクションとの対応が認識されるに至っている。異なったアプローチを行なう日米と露の実験から、粒子運動効果や3次元性が高速磁場リコネクションに結びつくことが明らかになった。これらの高速リコネクション機構は、実験室、太陽観測、地球磁気圏観測、理論・シミュレーションを統合したUniversity of Tokyo Symposiumを開催することによって、これら4分野から多面的に検証、裏付けを得るに至っている。
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