研究課題/領域番号 |
10044129
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桂井 誠 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70011103)
|
研究分担者 |
林屋 均 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (80313013)
板垣 敏文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60242012)
小野 靖 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 助教授 (30214191)
植田 喜延 東京大学, 大学院・工学系研究科, 日本学術振興会特別研究員
|
キーワード | 磁気リコネクション / 3次元リコネクション / イオン異常加熱 / 異常抵抗 / プラズモイド / 電流シート / ファーストショック / プラズマ合体 |
研究概要 |
最終年度は、1)3次元局所化した磁気リコネクションの発見とそれによるリコネクションの高速化の解明、2)磁気リコネクションのイオン異常加熱機構の解明、3)リコネクションのファーストショック形成過程の解明、4)プラズモイド放出によるリコネクションの高速化について、TS-3、MRX、TC-3Dの3室内実験と太陽・地球磁気圏観測で共通認識が得られたことが大きな成果であった。1)では拡散領域の3次元局所的な変形が効率的な粒子排出を可能にし、一時的に3次元局所的なリコネクションが形成されることにより高速磁気リコネクションが発生することが明らかになった。これは東京大学TS-3実験が中心とする高速のプラズマ合体時に現れる現象で、太陽観測と関連シミュレーションと一致する。2)では開発したイオン温度トモグラフィー計測を用いて、TS-3実験の高速リコネクションではアウトフローの熱化が最も重要なイオン加熱機構であること、MRXの低速リコネクションでは電流シート内でもイオン温度が電子温度より高くなることが判明した。また、磁場・電場の揺動計測を進め、このイオン異常加熱と異常抵抗がLHドリフト不安定とドリフトキンク不安定であることが特定されつつある。4)のプラズモイド放出についても、縦磁場の強いときに効率的に粒子排出を行ってリコネクションの高速化を担っていることが判明した。日米露の4装置の実験を通じて、リコネクションの高速化には1)拡散領域からの粒子放出機構と2)電流シートの異常抵抗効果の双方の条件が満たされることが重要で、特に本共同研究で前者に多様性があることが結論された。これらの成果はPhysics of Plasmas,Nuclear Fusionなどの学術雑誌をはじめ、米国物理学会、IAEA核融合エネルギー会議等で公表された。
|