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2000 年度 実績報告書

大電流プラズマの自己組織化に関わるカイネティック効果

研究課題

研究課題/領域番号 10044130
研究機関東京大学

研究代表者

吉田 善章  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (80182765)

研究分担者 龍野 智哉  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (60313011)
比村 治彦  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (30311632)
小川 雄一  東京大学, 高温プラズマ研究センター, 教授 (90144170)
森川 惇二  東京大学, 高温プラズマ研究センター, 助手 (70192375)
キーワード自己組織化 / 集団現象 / カオス / 核融合 / カイネティック効果 / 異常抵抗 / 緩和現象 / 磁気再結合
研究概要

先進的な核融合炉心を探求しようという研究は,プラズマ自身の,とくに自己場のエネルギーが大きな領域での非線形挙動に関する深い知識が必要である.逆転磁場ピンチ(RFP)や極低q配位(ULQ)に代表される大電流プラズマの緩和状態の研究は,まさに自然なプラズマ状態はどのようなものであるかを解明しようとする試みであり,宇宙・天体プラズマをも含む広い視点から多くの成果を生み出している.本研究では,RFP配位の自己組織化を記述するTaylor緩和状態の枠を越えた,さらに一般的な視点から,プラズマの緩和状態を研究し,新たな緩和状態の可能性を示すと同時に,その応用について検討した.その主要な成果は以下のように纏められる.
(1)流れをもつプラズマの自己組織化における運動論的な効果:非中性プラズマでは自己電場によって駆動される流れが,新たな緩和状態を自己組織化することを示した.この状態は,2つのTaylor緩和状態の線形結合として表すことができ,パラメータの変化に応じてカタストロフィーを起こす.これは,太陽コロナの加熱やフレアーを説明するモデルとなる.
(2)荷電粒子のカオスの効果:プラズマを流体として表す巨視的モデルでは,プラズマ中の代表粒子の運動から平均的な物理量を計算する.しかし,電磁場の空間的非一様性が強いと,粒子の運動は非可積分(カオス)となり,個々の粒子の運動で集団運動の特性を代表することができなくなる.本研究では,粒子運動のカオスによって起こる無衝突エントロピー生産を磁場のヌル点における異常電気抵抗として計測し,理論との比較によって一致を得た.これは,自己組織化のプロセスで重要な「磁気再結合」を説明するモデルとなる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.M.Mahajan and Z.Yoshida: "A collisionless self-organizing model for the high-confinement (H-mode) boundary layer"Phys.Plasmas. 7. 635-640 (2000)

  • [文献書誌] 吉田善章: "高速プラズマ流による超高ベータプラズマ閉じ込めへの挑戦"プラズマ・核融合学会誌. 76. 267-271 (2000)

  • [文献書誌] S.Kondoh,R.Teramoto and Z.Yoshida: "Nonlinear density wave theory for the spiral structure of galaxies"Phys.Rev.E. 61. 5710-5761 (2000)

  • [文献書誌] F.Volponi,Z.Yoshida and T.Tatsuno: "Shear-flow induced stabilization of kinklike modes"Phy.Plasmas. 7. 2314-2319 (2000)

  • [文献書誌] S.Ohsaki and Z.Yoshida: "Shock structure of Beltrami magnetic fields in plasmas"Phys.Plasmas. 7. 2404-2409 (2000)

  • [文献書誌] 吉田善章: "緩和現象の物理"プラズマ・核融合学会誌. 76. 713-723 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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