研究概要 |
本研究は,これまで各々の地震国で独自に考えられていたサイスミック・マイクロゾネーションとその背景に存在する地震・地盤環境についての国際比較を試みることによって,それぞれの地域にとってより効果的な地震防災計画を共同で立案することを目的としている.以上の目的を達成するため,本年度に実施した主要な研究内容は以下の通りである. (1)それぞれの地域において,地震・地盤環境を確認するために個別のフィールドワークを行い,地震活動度・想定地震の評価,地盤特性の評価,標準的な建物の振動特性評価などの項目について,サイスミック・マイクロゾネーションを実行した.それらの結果に基づく情報交換と議論は電子メールによって実施した. (2)平成12年10月に研究分担者を招聘し,研究内容の報告と意見交換のためのワークショップを開催した.招聘者は,フランシスコ・ヴィダル(スペイン)ラリアナ・マルチン(アメリカ),マリオ・チャベス(メキシコ),ベルタ・ゴンザレス(キューバ),メッセレ・ハイレ(エチオピア),タウィフィク・ムーラビ(モロッコ),ケマル・ベヤン(トルコ)の7名の研究分担者であり,同一研究分野の国内の研究者も多数参加して活発な討議を行い,異なる地域の異なる地震・地盤・建物の環境について理解が深められた (3)平成13年1月13日にエルサルバドルで地震災害が発生し,まさに本研究課題が当地で問題となったので,瀬尾和大(研究代表者)を現地に派遣し,当地のウォルター・サラザール氏(中央アメリカ大学)と共同で被害調査を実施し,その結果をエルサルバドルにも還元した.
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