研究概要 |
本研究は,これまで各々の地震国で独自に考えられていたサイスミック・マイクロゾネーションとその背景に存在する地震・地盤環境についての国際比較を試みることによって,それぞれの地域にとってより効果的な地震防災計画を共同で立案することを目的としている.以上の目的を達成するため,平成10年度から3年間に亘って実施した主要な研究内容は以下の通りである. (1)それぞれの地域において,地震・地盤環境を確認するために個別のフィールドワークを行い,地震活動度・想定地震の評価,地盤特性の評価,標準的な建物の振動特性評価などの項目について,サイスミック・マイクロゾネーションを実行した.それらの結果に基づく情報交換と議論は主として電子メールによって実施した.この間,エチオピア・スペイン・モロッコ・メキシコ・キューバにわが国から研究者を派遣し,各々の地域のフィールドワークを支援した. (2)毎年1回海外の研究分担者をわが国へ招聘し,研究内容の報告と意見交換のためのワークショップを開催した.招聘者は,F.ヴィダル(スペイン),L.マルチン(アメリカ),M.チャベス(メキシコ),B.ゴンザレス(キューバ),M.ハイレ(エチオピア),T.ムーラビ(モロッコ)等の研究分担者であり,平成12年度にはK.ベヤン(トルコ)も加わった.これらの会合には,同一研究分野の国内の研究者も多数参加して活発な討議を行い,異なる地域の異なる地震・地盤・建物の環境について理解が深められた. (3)研究期間内には各地で地震災害が発生したため,平成11年12月には台湾に,平成12年3月にはトルコに,また平成13年1月にはエルサルバドルに調査団を派遣し,本研究課題であるサイスミック・マイクロゾネーションについて現地調査を実施した.それらの研究成果は,地震被災国のサイスミック・マイクロゾネーション研究の基礎資料として還元された.
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