高エネルギー密度圧縮研究用イオン慣性核融合ドライバーの研究

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10044140
• 研究種目: 国際学術研究
• 応募区分: 共同研究
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 糟谷 紘一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (30029516)
• 研究分担者: TURMAN Bobby 米国サンディア国立研究所, パルスパワーセンター, 主任研究員 ; LEEPER Ramon 米国サンディア国立研究所, パルスパワーセンター, 主任研究員 ; RENK Timothy 米国サンディア国立研究所, パルスパワーセンター, 研究員 ; HANSON David 米国サンディア国立研究所, パルスパワーセンター, 研究員 ; QUINTENZ Jef 米国サンディア国立研究所, パルスパワーセンター, 副所長
• キーワード: パルス・イオンビーム / 粒子ビーム慣性核融合 / 中間質量イオンビーム / ビーム標的相互作用 / 東京工業大学(総合理工学) / 米国サンディア研究所 / ピンチX線応用核融合 / ビーム関連計測法の開発

研究概要

パルスパワーによる慣性核融合研究が最近活発化しており、ワイヤー列高速ピンチによる高エネルギーX線発生や、これの慣性核融合関連研究への応用が、これらの分野のごく最近のトピックスである。これにたいして、軽イオンビーム慣性核融合の場合には、高密度電荷によるビームの収束度にさらなる改善の必要があり、重イオンビーム慣性核融合の場合には、格段のビーム電流値のアップを実現する必要がある。そこで本研究では、ワイヤー列高速ピンチによる慣性核融合に関する重要研究項目を検討し、新たに着手できる研究課題のピップアップを行うと同時に、軽でもなく重でもない、これら両者の中間領域の重さのビーム種を用いる慣性核融合関連研究を開始し、従来の軽いビームと重いビームが内包する致命的課題の解決を計画した。
東工大のイオンダイオードとサンディア研究所のイオン・ダイオードおよびX線発生装置の最新研究結果を参考にして、研究全体の進め方を検討した。近い将来に実施したい共同実験用のイオン・ダイオード、イオンビーム標的相互作用ならびに計測装置の設計、至急に研究開始を要するピンチ方式核融合の炉工学的課題 などの今後の進め方を討論した。同時に、日米以外の必要な関連予備資料を収集するために、欧州で開催された国際会議等に出席し、研究打ち合わせを行った。
以上の結果、イオンビーム核融合の新しい方向を模索するための、中間質量イオンビーム発生用イオンダイオードに関する基礎資料を得ることができた。また、平行して進めたCCD素子を用いる新方式のパルス・イオンビーム計測法の中間データ取得にも成功した。さらにまた、パルス・イオンビームによる固体標的のアブレーション応用の観点から、クライオ標的を併用する新方式を提案し、新材料開発分野への展開可能性を検討することができた。

研究成果

• [文献書誌] K.Kasuya,H.Koinuma,T.Renk,D.Hanson,K.Lamppa and G.Torres: "Ablation Experiments with Cryogenic Targets and Intense Pulsed Ion Beams" Bulletin of the American Physical Society. 43・8. 1792-1792 (1998)
• [文献書誌] T.Renk,D.Johnson,K.Lamppa,M.Siegal,K.Kasuya and M.Thompson: "Pulsed Intense Ion Beam Processing for Materials Applications" Bulletin of the American Physical Society. 43・8. 1792-1792 (1998)
• [文献書誌] K.Kasuya,Y.Kishi,T.Yamashita,T.Renk,D.Hanson,J.Quintenz et al.: "Recent Progress in Cryogenic Technique Applied to Pulsed Ion Beam Generation and Target Ablation Experiments" Proceedings of the 12th IEEE International Pulsed Power Conference. (印刷中). (1998)
• [文献書誌] K.Kasuya,T.Kamiya,M.Funatsu,T.Renk,D.Hanson,J.Quintenz et al.: "Advanced Diagnostics and Applications of Pulsed Ion Beams and Lasers" Conference Records of the 26th IEEE International Conference on Plasma Science. (印刷中). (1998)
• [文献書誌] K.Kasuya M.Funatsu,C.Wu,E.Hotta,S.Nakai,S.Kawata,T.Okada et al.: "Production,Diagnostic and Application of Pulsed Ion Beams with Light and Medium Mass;LIB and MIB Program in Japan" Fusion Engineering and Design. (印刷中). (1998)
• [文献書誌] K.Kasuya and M.Funatsu: "New Method for Thin Film Formation with Cryogenic Diode and Cryogenic Target" Fusion Engineering and Design. (印刷中). (1998)
• [文献書誌] M.Funatsu and K.Kasuya: "Diagnostics of Ablation Process Induced by Pulsed Ion Beam" Fusion Engineering and Design. (印刷中). (1999)
• [文献書誌] C.Wu,T.Kamiya,H.Sunami and K.Kasuya: "Development and Application of KrF Lasers with Different Excitation Methods" Fusion Engineering and Design. (印刷中). (1999)
• [文献書誌] I.Gutu,R.Medianu,G.Georgescu,C.Petro,I.Mihallesou and K.Kasuya: "High Efficiency,Good Optical Quality Transverse Flow CO_2 Laser" Proceedings of 12th International Symposium on Gas Flow and Chemical Lasers/High Power Lasers. (印刷中). (1999)
• [文献書誌] 糟谷紘一,J.Quintenz,T.Mehlhorn,T.Renk,D.Hanson,B.Turman et al.: "粒子ビームを用いる慣性核融合の研究" 東京工業大学総合研究館・協同・開発研究報告書. 1・1. 56-61 (1998)