研究概要 |
1周波数可変高出力ジャイロトロンの開発 カールスルーエ研究センターでは,周波数140GHzのジャイロトロンにより,出力2.1MWの発振に成功した。また,色々な動作モードでの発振を可能にすることにより,136GHzから167GHzまでの周波数可変性を出力1MWレベルで実現した。 2高周波ジャイロトロンの発振出力の安定化 福井大学では,17T超伝導マグネットを用いたジャイロトロンにおいて,二次高調波動作により周波数889GHzの発振に成功し,この周波数までの周波数可変光源を実現した。また,ジャイロトロンを良質な光源として確立する観点から,発振出力(周波数301GHz)の安定化を試みた。発振出力の変動(〜6%)を引き起こす原因は,カソード電圧の変動(〜40V)であることが判明したので,カソード電源に平滑回路を導入し,電圧変動を3V程度まで軽減した。その結果,発振出力の変動は0.6%程度まで,発振周波数の変動は300kHzまで軽減できた。これと平行して,アノード電圧へのフィードバック制御も試みたところ,カソード電圧の安定化をしていない場合でも,発振出力の変動を1.5%手度まで軽減できた。 3高周波ジャイロトロンの振幅変調 ジャイロトロン出力がアノード電圧によって変化することを利用し,アノード電圧に変調をかけることで出力の振幅変調を試みた。変調周波数20kHzまでの領域において良好な結果を得た。アノード電圧を20kHz以上の周波数で変調できるように会りょぅすれば,変調周波数をさらに上昇させることができる。 4高純度出力型周波数可変ジャイロトロンとガウシアンビームへの変換システムの設計 散乱行列を用いた計算により,多くの発振モードに対して高純度出力が得られる共振器形状を求め,共振器の製作を行った。この共振器を組み込んだジャイロトロン装置を製作し,まもなく実験を行う予定である。また,このようなジャイロトロンに適合できる,多くの発振モードに対して有効なガウシアンビームへの変換システムの設計を行い,TE_<on>モードに有効なシステムを考案した。
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