研究概要 |
共同研究課題「先端金属基複合材料の製造と力学的性質の評価」については、セラミックス粒子強化アルミニウム基複合材料の試作を行い、材料試験に供する事のできる材料の作製条件を検討した。また、作製した材料の高音疲労特性を評価した。さらに、最終年度に行う各種力学的性質の材料試験条件について検討した。 課題「生体用チタン合金の力学的特性」については、毒性の無い構成元素からなり、かつ低弾性率であるTi-29Nb-13Ta-4.6Zr合金の実用レベルサイズのインゴットを作製し、ミクロ組織制御を行ったところ、引張強さ約1000MPa、伸び約15%、弾性率60から80GPaと低弾性率型生体用金属系材料として良好な特性を有していることが判明した。さらに、加工熱処理条件を検討したところ、さらに高強度とすることが可能であることがわかった。 課題「粉体による機能材料創製と評価」については、非平衡材料の作製とその特性について研究を行った。今年度は特に,プラズマジェット法による非平衡合金超微粒子の磁気特性,Fe-炭素(グラファイト,フラーレン,スス,カーボンブラック)系のメカニカルアロイングに関する研究が重点的に行われた。特に後者の研究ではメカニカルアロイングによるセメンタイト相の生成が高分解能TEM観察により確認された。 課題「表面改質および傾斜機能材料」については、双方の分担課題として、作製した熱電皮膜の熱電特性評価および熱電特性に及ぼす添加ドープ元素の種類、量の影響調査(日本側)、溶射による金属からセラミックスへの組成傾斜複合皮膜体の作製(中国側)を行った。また、最終年度の共同研究体制における分担内容について打ち合せを行った。
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