研究分担者 |
岸田 潔 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20243066)
大西 有三 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30026348)
足立 紀尚 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20026173)
深川 良一 立命館大学, 理工学部, 教授 (20127129)
北村 良介 鹿児島大学, 工学部, 教授 (70111979)
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研究概要 |
豪雨に伴う斜面崩壊現象の発生機構を解明し,その予測法を確立することを目的として共同研究を行った.本年度は,日本,シンガポール,マレーシアの3国において豪雨時の斜面崩壊の調査と斜面崩壊に関する原位置計測を行った.これらの研究より得られた情報を交換し,降雨時の斜面崩壊機構について議論を行うとともに,次年度に向けての研究方法について打ち合わせを行った. 具体的には,日本から研究代表者と2名の研究分担者がシンガポールとマレーシアを訪問し,斜面崩壊発生箇所の現地調査を行った.この際,同地域で実施されている原位置観測について調査を行い,これらの観測から入手し得るサクションの計測データと降雨状況,ならびに斜面の安定性との関係について検討を行った.この結果,降雨に連動して斜面内の比較的浅い部分のサクションが低下し,斜面を構成する不飽和土の強度が低下すること、ならびにこれに伴い斜面の滑り崩壊に対する安定性が低下することが確認された.海外からの招へいとしては,シンガポール,マレーシアからそれぞれ2名づつ研究分担者を招へいした.招へい時には日本における斜面崩壊現象の特徴と発生機構について議論し,シンガポール,マレーシアにおける崩壊現象との共通点と相違点について検討を行った.また国内で斜面崩壊の発生頻度の高い愛媛県と鹿児島県において,斜面崩壊の発生状況の調査を行った.さらに,鹿児島において実施されているにおけるサクションの計測データと降雨状態との関係について議論を行い,マレーシアやシンガポール同様にサクションが降雨と連動して変動し,斜面の安定性が変化することを確認した. 次年度は,これらの研究を継続するとともに,得られた研究成果をもとに,豪雨時の斜面崩壊の予測と予防について研究成果のとりまとめを行う予定である.
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