研究分担者 |
北村 良介 鹿児島大学, 工学部, 教授 (70111979)
大西 有三 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026348)
足立 紀尚 京都大学, 工学研究科, 教授 (20026173)
木村 亮 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30177927)
深川 良一 立命館大学, 理工学部, 教授 (20127129)
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研究概要 |
豪雨に伴う斜面崩壊現象の発生機構を解明し,その予測法を確立することを目的として下記の4テーマに関する研究を行った. (1)降雨による土の強度低下に関する研究 降雨により土の強度が低下する現象を解明することを目的として,不飽和土中における毛管水が土の強度に及ぼす影響を土粒子〜水系に関する種々のモデルを用いて考察した.さらに,この研究成果を基に,土中の間隙水の変化がサクションの変化に与える影響,ならびにサクションの変化に起因して土の強度変化が変化する現象を定量的に表す方法を提案した. (2)地盤内浸透現象の解明 降雨時に地盤内に雨水が浸透していく現象を数値計算を用いて考察した.この結果をもとに,降雨時ならびに降雨後に地盤内の含水状態が変化していく過程を予測する手法を提案した. (3)原位置におけるサクションの計測 原位置におけるサクショシの計測手法を開発し,その適用性を原位置試験により確認した.特にサクションが降雨に連動して変化し,サクションの計測により地中の土の強度変化をモニターし得ることを確認した. (4)斜面崩壊の数値解析 斜面の崩壊現象に関する数値計算を行った.この際,前述の研究成果に基づき,降雨の地盤内浸透現象とそれに伴う土の保水状態の変化をもシミュレートする計算を斜面の安定解析に組み込んだ.これにより,降雨による斜面の安定性の変化を計算上表現することができ,原位置に置いてサクションをモニターすることの意義や有用性も併せて検証することができた. 以上の研究成果をもとに,サクションの原位置計測にもとづく斜面の安定性のモニタリングと斜面崩壊の予測手法の提案を行った.
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