研究概要 |
本研究グループの開発対象である自動並列化コンパイラ Narafraseの中間表現に、データ分割配置情報と通信情報を内包したUIR(統一的中間表現)の設計を行なった。この母体となったものは、本研究グループが既に提案していた階層的データ分割グラフ(データ自動分割のためのコンパイラ中間表現)である。この中間表現は、超並列計算機のハードウェア的な階層性すなわちメモリ階層性と、プログラム中でアクセスされる各変数の情報を、一つのフレームヮークの中で表すことができるため、NarafraseのURの直接のベースとして利用できた. Narafraseは集中共有メモリ型から、ワークステーション・クラスタに至るまで、メモリ配置に関して多様なシステムに柔軟に対応させるために、高度な通信隠蔽を可能とする弱いメモリ・コンシステンシ・モデルである,cc-COMA(compiler-controled COMA)を提案した.自動並列化コンパイラに、UIRを持たせることの最大の利点は、どのような並列化最適化もそのUIRだけを対象にすればすむことである。この考えをさらに一歩進めて、UIRへのアクセスに対して、汎用のインタフェイスを定義することにより、そのインタフエイスに対応したUIRであれば、UIR自体を入れ換えることも可能となる。そこで,このようなUIRインタフェイスの定義を行なった.また,プログラム並列化支援のための三次元視覚化システムNaraViewをNardfraseに適用実装するために,本UIR視覚化の設計を行なった.
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