研究概要 |
本研究は、100MPaを越えるような高強度コンクリートの時間に依存する変形挙動であるクリープおよび乾燥収縮ひずみを正しく予測する手法を確立することを目的とするものである。 まず、混和材にシリカヒュームおよびフライアッシュを用い、120MPa,100MPa,85MPaおよび65MPaの強度を有するコンクリートの乾燥収縮ひずみを調べ、コンクリートの乾燥収縮ひずみに及ぼす強度と混和材の影響を明らかにした。なお、実験は、温度が23±2℃,湿度が50%に保たれた岡山大学に設置の恒温度・恒湿度室内にて実施した。また、岡山大学と同様のコンクリートを用いてカルガリー大学において、クリープ試験を実施した。作成する供試体および実験条件は岡山大学における実験条件と同一である。ただし、コンクリートの載荷開始時材令は、1、3、7、28および91日とした。実験は現在も継続中であるが、これまでに得られた結果を基にして、この種のひずみの各種予測式の適用性を検討した。従来の予測式における強度の影響の取り扱い方法では、60MPa程度までの強度のコンクリートに対して有効で、それ以上の強度に対しては、何らかの補正が必要であることが明らかになった。 一方、世界各国の研究者達によって実施されたクリープ、乾燥収縮試験データをデータベースとして整理した。現在も作業を継続中であるが、多くのデータを収集することができ、原著にもとづき、その信頼性を確認した。 以上の共同研究をまとめ、信頼性及び実用性の高い予測式を確立するための基礎ができた。
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