研究課題/領域番号 |
10044161
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岡田 光正 広島大学, 工学部, 教授 (70124336)
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研究分担者 |
藤江 幸一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30134836)
国包 章一 国立公衆衛生院, 水道工学部, 部長 (90083740)
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キーワード | フミン質 / キャラクタリゼーション / オゾン / 活性炭 / 凝集剤 / 促進酸化 / モリンガ |
研究概要 |
水中フミン質のキャラクタリゼーション、ならびに活性炭や天然素材等への吸着性、酸化処理、生物処理反応性の解析に基づいて、天然素材から開発した水処理材を利用して様々な特性のフミン質を含む水道原水の高度浄水処理システムを地域特性に応じて最適化するための手法ならびに技術を確立することを目的として下記の研究成果をあげた。 (1)フィリピンで生産されるモリンガ種子を採取し、安全かつ安価な水処理材料の開発を行った。塩抽出手法を用いることにより、従来より活性の高い粒子に対する凝集活性成分を発見し、さらにその精製に基づいた簡易な抽出手法の開発に成功した。その凝集剤を実際の湖沼原水(広島県三永水源地)に適用し、市販の凝集剤に近い性能を得た。また、新凝集剤の凝集機構についても検討し、水中のイオンと結合することによって生成する網目状構造物質の捕集作用であると推定した。 (2)広島県三永水源地に設置したパイロットプラント、すなわち通常の浄水処理システム(比較対照ならびに予備処理施設)、生物活性炭反応装置、オゾン反応装置等からなる高度浄水処理パイロットプラントを用いて浄水処理システムにおける水中フミン質の挙動を分析した。その結果、低分子量の水中フミン質と水中のカルシウムの2つの因子が活性炭の有害化学物質除去能を相補的に低下させることを明らかにした。 (3)オゾンならびに生物処理の繰り返しによる高度浄水処理システムの開発を行い、処理水の循環システムと促進酸化処理の組み合わせによって水道原水中のフミン質の除去率の向上が期待できることを明らかにした。
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