研究分担者 |
ZHON Min Jin ブラックフォード大学, 機械応用工学科, 講師
JOHN Fisher リーズ大学, 機械工学科, 教授
中西 義孝 九州大学, 工学部, 助手 (90304740)
澤江 義則 九州大学, 工学部, 講師 (10284530)
大月 伸男 九州大学, 工学部, 助教授 (60127991)
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研究概要 |
当初案に近い形で本研究を実施し,九州大学からは1名を英国に派遣し,リーズ大学からは2名を日本へ招へいした.訪英と訪日の機会を活かすために,8月に札幌で開催された第3回世界バイオメカニクス会議(世界第一線の研究者約千名が参加)において両国の5名が参加し,各大学の研究成果を発表するとともに研究協議を行った.その後,日米星中バイオメカニクス会議でも成果を発表した.9月には,リヨンで開催された第25回トライボロジーに関するリーズ-リヨンシンポジウムにおいて村上が次世代人工関節用の人工軟骨の潤滑特性に関する研究成果を発表し,リーズ大学・ブラッドフォード大学において研究協議を行った.また,10月に北京で開催された第1回アジアトリブにおいて九州大学における研究成果を発表した. まず,臨床応用されているポリエチレンを用いた人工関節について,潤滑モードや摩耗の発生,摩耗粉に対する細胞の応答と骨融解の関連などについて種々の問題点の把握を行った.とくに,実験室レベルでの摩耗特性評価に関して,生体の多様な運動を反映した多方向滑り試験では,一方向試験よりも摩耗が多くなり,臨床例に近くなることを指摘した.また,関節液に近い性状を有する血清や構成成分の使用が,臨床上の摩耗挙動と近くなることを示した.メタル・メタル人工股関節に関しては,磁場印加により摩耗が低減することを実証するとともに,多方向滑り試験では,なじみ効果により一方向試験に比べて摩耗が低下することを提示した..セラミック同士については,流体潤滑効果の有効な作動条件を示すとともに,アルミナセラミックスの結晶構造・機械的特性の影響や異種材組合せの優位性を評価した.人工軟骨を有する人工関節に関しては,ポリウレタンやシリコーンゴム,PVAハイドロゲル人工軟骨の物性と歩行条件下における潤滑特性の関連を実験的に評価し,数値解析との対応をつけた.
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