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1998 年度 実績報告書

エネルギー分光電子顕微鏡法による材料科学研究の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 10044166
研究種目

国際学術研究

応募区分共同研究
研究機関九州大学

研究代表者

友清 芳二  九州大学, 工学部, 教授 (40037891)

研究分担者 ZUO JianーMin  アリゾナ州大学, 物理学科, 研究員
MAYER Joachi  マックスプランク研究所, 金属研究所, 主任研究員
安田 和弘  九州大学, 工学部, 助手 (80253491)
渡辺 万三志  九州大学, 工学部, 助教授 (10304734)
松村 晶  九州大学, 工学部, 教授 (60150520)
キーワードイメージングフィルター / 電子エネルギー分光 / 電子顕微鏡 / 電子分光結像 / 電子分光回折 / 元素マッピング / 収束電子回折 / 非弾性散乱
研究概要

九大に設置された、最新鋭のエネルギー分光電子顕微鏡はオメガ型イメージングフィルターを内蔵しているので、エネルギー選択スリットを使う事によって弾性散乱電子のみによる結像や回折ができるだけでなく、非弾性散乱電子による結像、回折が可能である。また、電界放射型電子銃を搭載しているので輝度が高く、空間分解能の向上が期待される。本研究ではこの装置の基本性能と材料の微細構造評価をする上での有用性を調べた。得られた主な結果は以下の通りである。
(1) エネルギーフィルター像:フィルターを使って弾性散乱電子のみを選択すると、フィルターを使わない場合に比べて高分解能格子像のコントラストが改善される。合金の析出物周辺の歪みや転位、積層欠陥の像はフィルターを使用すると著しくシャープになる。非弾性散乱の割合が多い低加速電圧および厚い試料ほど色収差の低減、すなわちフィルターによる像質改善効果は顕著である。
(2) 非弾性散乱電子による結像:フィルターを使って酸素のK殻電子励起ロスの電子で結像すると、Si結晶中の酸化物(SiO2)が可視化され、軽元素のマッピングが迅速に行える。また、軽元素中に含まれる微量の重元素の検出にもこの方法が有効である。
(3) エネルギーフィルター回折:フィルターを使って弾性散乱電子のみで収束電子回折を行うとバックグラウンドの低い明瞭な回折線が得られる。直径1〜2nmに絞ったビームを厚さ450nmのSi結晶に照射して、シャープな高次ラウエゾーン回折線が得られる。これは局所領域の格子歪み定量的測定に有用である。
エネルギーフィルタリングには高輝度電子銃だけでなく、高感度記録媒体であるイメージングプレートやスロースキャンCCDカメラが必要不可欠である。

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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