研究課題/領域番号 |
10044170
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
安保 正一 大阪府立大学, 工学部, 教授 (70094498)
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研究分担者 |
松岡 雅也 大阪府立大学, 工学部, 助手 (80305648)
山下 弘巳 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (40200688)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 光触媒 / 太陽光利用 / 可視光応答性 / 酸化チタン薄膜 / マグネトロンスパッタ法 / NO直接分解反応 |
研究概要 |
申請者は本研究課題において、紫外光照射下のみにおいてNOx分解に光触媒活性を有する酸化チタン光触媒にイオン注入法を適用し、V,FeやCrなどの遷移金属イオンを注入することで可視光を吸収し可視光で機能しNOxを直接分解できる第2世代の酸化チタン光触媒の設計が可能となることを見いだした。触媒のin-situによるESRおよびXAFS測定によりCrイオン注入TiO_2光触媒中では、遷移金属イオンはたとえばV^<4+>として格子のTi_<4+>サイトに交換しており、注入酸化チタンの可視光発現機構に重要な役割をなしていることを明らかにした。さらに、イオン交換法によりゼオライト細孔内に高分散に担持した酸化チタン触媒は従来の粉末酸化チタンに比べ高い光触媒活性を示すが、このようなゼオライト触媒にもCrやVなどの遷移金属イオンを注入すると高分散酸化チタン種のUV吸収領域が長波長側の可視光領域にまでシフトし、可視光照射下においてNOを高効率に窒素と酸素に直接分解する理想的な可視光応答型の酸化チタン光触媒の調整が可能となることを明らかにした。また、in-situでのFT-IR測定によりNOの光触媒分解における反応中間体の検出および反応機構の解明を試み、光励起された光触媒からNOの反結合性軌道への電子移動を通してNOの光触媒分解が進行することを明らかにした。以上の研究成果は、NOの光触媒分解反応の分子レベルでの機構および光触媒の可視光化の機構解明に関する重要な知見を与えるものであり、可視光や太陽光で効率よく稼動する環境調和型の光触媒系の設計と実用化に大きな指針を与えるものである。
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