本研究は、姫路工業大学の岸野正剛、吉田晴彦とアリゾナ州立大学のシュローダが共同で行った。測定試料の作成は姫路工業大学で行い、測定は姫路工業大学工業とアリゾナ州立大学の双方で行った。測定結果はお互いに訪問し合って討論した。また、シミュレーションによる理論計算も行ったが、これはお互いに独立に行い、結果については、岸野、吉田がアリゾナ州立大学を訪問する他、e-mail等も使って討論した。 主な成果は以下の通りである。 1.界面トラップ密度と生成ライフタイムの間に相関関係があること及び、この相関関係は半導体の伝導形の依存して変化することが分かった。この伝導形依存性は界面トラップのエネルギー位置の差によることが明らかになった。 2.金と白金の不純物では、生成ライフタイムと再結合ライフタイムへの影響の仕方が異なることが分かった。そしてこの研究を通してライフタイムキラーとしては白金不純物が優れていることが裏付けられた。 3.非接触過渡分光法を使うことによって、ゲート酸化膜が薄くなったときに起こる、界面トラップ密度に対する測定感度の劣化現象が抑制できることを、シミュレーションによって明らかにした。 4.周波数ベースによるMOSダイオードのキャパシタンスなどを測定することにより、再結合ライフタイムや界面トラップ密度が測定できることがわかった。
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