研究分担者 |
稲葉 真理 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60282711)
今井 浩 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80183010)
浅野 孝夫 中央大学, 理工学部, 教授 (90124544)
大西 建輔 電気通信大学, 情報システム学研究科, 助手 (00303024)
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研究概要 |
近年,コンピュータによる図形処理の高速化はマルチメディア時代を到来させると共に,コンピュータによる幾何構造の情報を効率良く扱うことが重要であることを示した.本研究では,このような流れの中で,幾何構造のコンピュータによる高速処理の観点から離散的な側面での処理の有用性に着目し,離散計算幾何に対する情報工学における統一的研究を行なっている. 本年度の研究では,マルチメディアの中でもGIS(地理情報システム)に重点をおいて研究を進めた.本研究は国際学術研究としてカナダと日本の計算幾何グループでの共同研究として始まったので,本年度も当初の計画通り,カナダからProf.Tao Jiang,Prof.Ming Li,Prof.David Bremnerらが来日し中央大学を訪問し,日本からは研究協力者の竹内がカナダとProf.David Bremnerの滞在先であるシアトルをたずねることによって継続した共同研究を遂行した. インターネットの普及に伴い,Web地図におけるラベル配置問題がGISの分野で注目されているが,実際的な立場からのラベル配置の計算機実験を行なった.また,GISにおいては,幾何構造だけではなく,統計データなどもGISデータとして与えられる.そこで,近接関係を表す代表的構造であるVoroni図を統計パラメタ空間へ拡張し,そこでの幾何構造がEuclid空間の場合と基本的に同じであることを示し,GISにおける幾何近接関係と様々な統計解析とを融合した構造を扱えるようになった.幾何構造の基本概念であり,単体的複体モデル基礎となっている三角形分割に対しては,整数計画法を用いて様々な三角形分割の中から各種の基準に基づく最適なものを求める統一的枠組を与えた.これらの研究成果は国際会議や研究論文として発表した.
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