VR(バーチャルリアリテイ)技術を用いたマルチメデイア通信により遠隔地にいる教師や学生が一堂に会した感覚で実験や実習を行う仮想教室システムを利用して早稲田大学とビクトリア大学などとインターネットで接続して国際共同研究を行い、システム構成や機能などの評価を行い、教育環境への適用性などの基礎データを収集した。同時に早稲田大学などが所有する芸術作品などの3Dコンテンツを仮想教室に導入して文化交流や教育への適用などを検討した。実験としては参加者(このシステムでは2名まで)がアバターという形態で仮想教室システムに参集して芸術作品の3Dコンテンツを操作するタスクを実行し、システムの操作性、適用性などを評価した。仮想教室で操作対象となる芸術作品は3Dコンテンツからなっており、言葉の壁を超えて直感的に理解し合うことができることで異言語間の遠隔教育には大いに役立つことが確認できた。またこの共同実験では日本とニュージーランドの学生が3Dコンテンツの芸術作品を共有し、お互いの動きを確認しながら、作品を手に取り鑑賞することができ、一堂に会していると同じような臨場感を得ることができた。またこのような実験では、実験がリアルタイムに行われることである。これについては高効率な符号化技術を開発することで、インターネットという低速な回線でもリアルタイムな操作を実現することができた。この共同研究により、異言語間の文化の交流には3Dオブジェクトが有効であるという知見が得られたのが大きな成果である。
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