研究課題
基盤研究(B)
・ラチャブラナ寺院に設置した無電源(電池稼働)自動環境計測システムにより環境条件(大気温度、大気湿度、雨量、日照強度、レンガ表面温度、レンガ内部温度)の計測を継続的に進めており、1999年のデータの解析処理を行った。その結果、1年中最高気温が30℃を超えること、雨は雨季の末期に多く、短時間に集中して降ることなどが明らかとなった。・マハタート寺院近くの一角に設置したレンガ造柱を用いたシミュレーション実験を継続的に行った。構築柱の含有水分量と土中の水分量および地下水位の変化を測定し、その結果を解析中である・マハタート寺院近くの一角の特にレンガの劣化の激しい部分において、詳細な観察と含有水分の変化についての測定を継続的に行っている。また、この部分における水分の動きについて、コンピュータによるモデル解析を行い、部分的に水分量が高まることが確認された。この現象を防止するために上層部分を撥水処理することを検討中である。この目的のために、マハタート寺院内に新たに実験用レンガ構築物を造り、水分センサーを取り付けての測定を開始した。・来年度にマエナンプルエム寺院の修復パイロット事業を行うべく、各種の調査を行った。特に当初の漆喰が残っている獅子像の保存方法について検討し、防水性漆喰による保存法をテストする予定である。・アユタヤ遺跡において今までに行われた保存修復対策についての資料収集と追跡調査を行っている。・関連調査として、スコータイ遺跡および東北部のクメール石造遺跡の劣化と保存修復についての調査も行った。また併せて、関連の文献資料等の収集も行っている。
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