研究概要 |
将来のエネルギー源としての核融合の研究において,ヘリカル型閉じ込め装置と呼ばれる磁場核融合方式は,トカマク方式の有力な代替方式と想定されており,中でも既に実験が開始された日本の核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)計画は世界をリードするものである。ドイツも同様の規模の計画を磁場形式の異なる方式で装置建設に着手しており,両国の計画の研究協力また稼働中の実験装置の研究協力は、極めて重要かつ効果的である。 本計画の主要目的は, (1) ヘリカル型核融合プラズマでの閉じ込めメカニズム解明のために,日独西の輸送データーペースの相互構築を行う。 (2) IEAステラレーター協定に基づく国際的な核融合共同研究に寄与することであり,本計画を通じてヘリカル型核融合開発研究のより一層の充実を図ろうとするものである。 平成10年度は以下のテーマで共同研究を行い、有益な国際交流ができた。 (1) 計画の立案調整と研究動向調査派遣 研究調整のためにドイツW7Xグループへ山崎、本島が渡航し、LHD国際共同実験計画(LIME)の提案、調整と今後の国際協力の具体的な進め方を打ち合わせた。これまでの着実な打ち合わせの成果として、平成10年度よりLIME計画(7年計画)が正式に開始された。 (2) 研究打ち合わせ派遣 ヘリカル動向調査としてプラズマ理論研究関連で中島を、プラズマ制御関連で榊原、をドイツに派遣した。 (3) ヘリカル閉じ込めと計測研究招聘 ドイツからバルツーン博士を招へいし,LHDでの荷電交換分光計測の検討を行った。また、ステラレータ研究の盛んな米国およびロシアから数名の研究者を招聘し、ヘリカル装置での閉じ込め計測の検討を深めた。
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