研究概要 |
オキシトシン受容体(OTR)遺伝子の破壊マウス作成実験:条件遺伝子破壊(conditionalknockout)システムを用いたKOマウス作成を計画し、実施した。阪大の木村博士が得た129SvEv系統のマウス由来ゲノミックライブラリーよりマウスOTR遺伝子を持つラムダファージを入手し、これよりマウスOTR遺伝子を取得した。これを出発材料としてloxP型KOベクターであるpLoxPneo3.repairを骨格に3つのloxP,neo耐性遺伝子、5′armと3′arm、loxPに挟まれたnockin用ゲノム(エクソン2,3)、HSV-tk遺伝子の各断片からなる全長18.5kbのKOベクターを作成した。現在、マウスに此のベクターをES細胞に導入した際にゲノムとの間で起きる相同組み替え後の遺伝子をサザンプロットで確認するためのプローブを確認中である。このKOベクターは共同研究者のMartin M.Matzuk博士の研究室でES細胞への導入を行い、解析中である。胚発生時でのOTR遺伝子の機能を明らかにするための実験として、Martin M.Matzuk博士の研究室の助教授であるChester Brown博士が作成した、合成ステロイドの一種でのみ構造変換を起こし活性型cre活性を示す変異型ステロイドレセプター/creの融合タンパク遺伝子を、任意の体組織で一様な発現のみられるROSA26発現ユニットと組み合わせたマウスシステムで行う準備を進めている。 Stcel panda変異マウス卵巣の解析:卵巣でのc-kitリガンドの発現が低下したSteelpanda変異マウスの卵巣解析に関しては1998年5月に3つがい入手したヘテロザイゴートより若干のSteel panda変異マウスを得たので、これより卵巣を取得し、ins ituハイブリダイゼーションを行った。この結果、予備的な結果ではあるが、Steel panda変異マウス卵巣の卵胞でGDF-9の発現も低下している可能性が示唆された。 GDF-9の昆虫細胞による生産:sf-9細胞よりマウスGDF-9遺伝子を持つベクターヴィールスか生産され、これが感性性を持つことも確認したが、現在までに活性型のGDF-9が培地中へ分泌された可能性については確認できていない。
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