研究課題/領域番号 |
10044196
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 公綱 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00134502)
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研究分担者 |
鈴木 勉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20292782)
新田 至 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30272404)
上田 卓也 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (80184927)
NIERHAUS K.H マックスプランク分子遺伝学研究所, 教授
NOLLER H.F. カリフォルニア大学, サンタクルーズ校, 教授
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キーワード | タンパク質生合成 / リボソーム / リボソームRNA / リボソームタンパク質 / トランスロケーション / ピリジン / 試験管内再構成法 / FPLC |
研究概要 |
大腸菌由来のリボソームは3種類のRNA(rRNA)と35種類のタンパク質から構成されており、タンパク質生合成の各素過程-転移RNA(tRNA)の結合、ペプチド結合の生成、それに引き続くtRNAの移動(トランスロケーション)-が、リボソーム上で、可溶性タンパク質因子の助けをかりて進行している。ところが、50〜60%のピリジンが存在するという極めて非生理的な条件下では、可溶性タンパク質因子が全く存在しなくとも、自発的なトランスロケーションが進行することを我々は見い出した。さらにこの条件下では、全体のほぼ2/3にあたるリボソームタンパク質がリボソームから解離していることが明らかとなっている。本年度は、ピリジン存在下におけるトランスロケーションの進行に必要な最小の構成要素を同定することを最終目標として、個々のリボソームタンパク質をリボソームから単離・精製することを試みた。十分量のリボソームタンパク質が分取できるようになれば、リボソームの試験管内再構成法を用いることにより、トランスロケーションに必要な要素を絞り込むことが可能となる。これまでのところ、以下の方法がリボソームタンパク質の単離・精製法として有用であることを確認した。すなわち、まずリボソームを6mM Mg^<2+>を含有するショ糖層を通過させることにより、リボソームに付着したタンパク質因子を除去した後に、このリボソームを3種類の濃度のLiCl溶液に順次さらすことによって、段階的にリボソームタンパク質を遊離させる。得られたリボソームタンパク質画分からFPLCにより、それぞれのリボソームタンパク質を単離した。この方法により、L2をはじめとする機能上重要なリボソームタンパク質を、90%以上の純度で分取することに成功した。今後は、リボソームの試験管内再構成実験へと進む予定である。
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