研究分担者 |
DAMBORSKY Ji Masaryk University, Faculty of Science, 講師
KOCA Jarosla Masaryk University, Faculty of Science, 教授
永田 裕二 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30237531)
太田 明徳 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30125885)
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研究概要 |
我々はこれまでの研究でγ-HCH分解菌S.paucimobilis UT26より、γ-HCH分解に関与する遺伝子の単離と解析を行い,その初発分解に3つのタイプの異なるdehalogenaseが関与していることを明らかにしている。このうち,LinB(1,4-TCDN hydrolase)は,加水分解的脱ハロゲン反応を触媒するhaloalkanedehalogenaseの一員であるが,基質特異性が既知のものと異なる。そこで,コンピューター予測と実際の実験データを組み合わせて,その反応機構を明らかにしていくことを本研究の目的とする。 LinBは一次配列から,他のhaloalkanedehalogenaseと同様にαβ-hydrolase familyに属すると予想されることから,nucleophile-histidine-acidから成るcatalytictriadが活性に必須であると考えられる。そこで,ホモロジーモデリングにより,catalytriadと考えられるアミノ酸残基を予測した。 次に,予測したアミノ酸残基を置換した変異酵素を作製し,精製後にそれらの活性を検討した。その結果,LinBにおいては,コンピューター予測通りにD108,H272,E132がcataly triadであることが確認された。 また,反応機構および基質特異性決定因子について更に詳細な解析を行うためにC末端に6xHisを導入した酵素を作製し,本酵素がNi-NTAによりOne-step精製が可能であり,wildtype酵素と同様の活性特性を持つことを確認した。 一方,LinBの実際の構造を知るために,精製したLinB蛋白質の結晶化を行い,X線回折データを取得した。
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