研究課題/領域番号 |
10044200
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
渡辺 元 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90158626)
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研究分担者 |
HEATHCOTE R. ウィスコンシン大学, ミルウォーキー校生物学部, 助教授
HUTZ R.J. ウィスコンシン大学, ミルウォーキー校生物学部, 教授
新井 浩司 東京農工大学, 農学部, 助手 (70293016)
田谷 一善 東京農工大学, 農学部, 教授 (60092491)
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キーワード | モルモット / 多嚢胞性卵巣症候群 / インヒビン / エストラジオール |
研究概要 |
多嚢胞性卵巣症候群(PCO)のモルモットモデルの確立 1. 成熟雌モルモットの正常発情周期中における卵巣の卵胞発育と下垂体前葉から分泌される性腺刺激ホルモン、および卵巣から分泌されるインヒビンとステロイドホルモン分泌の変化。成熟雌モルモットの発情周期は約16日であり、末梢血液中ステロイドホルモン分泌の変化から、約5日間の卵胞期と約11日間の黄体期に分けられた。黄体期には、ウシなどの反芻動物に類似した、卵胞の発育波が少なくとも1つ認められた。排卵前の卵胞期における卵胞発育と黄体期に見られる卵胞の発育波に伴って、末梢血液中エストラジオールおよびインヒビン濃度の上昇が見られた。末梢血液中卵胞刺激ホルモン濃度の変化は、排卵後、黄体期前半に上昇し卵胞期には低下するという、インヒビン濃度の変化と負の相関関係を示した。免疫組織化学的染色の結果、インヒビンは小型卵胞には検出されず、大型の胞状卵胞の顆粒層細胞が主として分泌することが明らかとなった。 2. モルモットの卵巣における嚢腫形成。正常発情周期を回帰する雌モルモットの皮下にエストラジオールを充填したシリコンカプセルを移植することにより、ヒトの多嚢胞性卵巣症候群に類似した嚢腫形成を誘起した。その結果、モルモットにおける卵巣嚢腫には、卵胞嚢腫と間質の組織間隙が拡張する非卵胞性嚢腫とが認められた。免疫組織化学的検索の結果、嚢腫にはインヒビンは検出されなかったが、同一卵巣内にはインヒビンを分泌する健常な卵胞も共存することが明らかとなった。
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