研究分担者 |
WALKER V. クイーンズ大学, 生物, 教授
WYATT G. クイーンズ大学, 生物, 教授
油田 正夫 三重大学, 医学部, 助手 (90293779)
三浦 健 三重大学, 医学部, 講師 (60219582)
安藤 勝彦 三重大学, 医学部, 助教授 (90024710)
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研究概要 |
1. カイコを用いてnuclear receptor super familyに属する因子のクローニングをおこなった。種々ステージから抽出したRNAでcDNA libralyを作製した。nuclear receptor super familyのDNA binding domainの保存領域Zinc Finger P boxのconsennsus配列からprimersを作製した。このrimersを用いcDNA libralyをtemplateとしてPCRを行なって複数の増幅fragmentsを得た。また、これらのfragmentから、PCR,RACE等により全長のcDNAをえた。これらの塩基配列を解析し、すでに他の昆虫(Drosophila,Manducaなど)で明らかにされているnuclear receptorあるいはorphan receptorとして知られているものと相同のcDNAとして、EcR,USPを、またearly late遺伝子として知られるE74をカイコでは始めてクローニングした。また、これまで単離されていない新しいnuclear receptor super familyのメンバーと思われる因子のcDNAも得られた。これは解析の結果、humanのGCNF(Germ Cell Nuclear Factor)に近いものと同定され,FGREと呼ぶことにした。 2. カイコの4令幼虫5令幼虫の主な組織(脂肪体・絹糸腺・表皮・中腸)からRNAを抽出し、BmE74およびFGREのcDNAをprobeとして、Northern Blottingを行なった。BmE74はDrosophilaでの結果と異なり、どの組織でもほとんどの時期で発現していることがわかった。FGREはほとんどの組織で4令、5令、蛹期に発現しており、ecdysone作用の結果発現されるE74とFTZ-Fiとのあいだに発現されるearly-1ate geneのひとつで新しい核調節因子であることが判った。 3. ハマダラカAnopheles stephensiをもちいて、遺伝子転写のcofactorのクローニングを行い、TBP,GCN%,BX42の全長クローンを得て、塩基配列を決めた。今後、これらのcofactorを用いて、nuclear receptorのクローニングを行う。
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