研究課題/領域番号 |
10044209
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
近藤 勝彦 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00110817)
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研究分担者 |
高宮 正之 熊山大学, 理学部, 助教授 (70179555)
出口 博則 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60117017)
星野 卓二 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (10122392)
荻沼 一男 高知女子大学, 生活科学部, 教授 (30106794)
日詰 雅博 愛媛大学, 教育学部, 教授 (30116967)
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キーワード | 日本・中国関連絶滅危惧植物種 / 保全生物学 / 系統保存 / 分子細胞遺伝学 / 染色体学 / 日本 / 中国 / 野生植物 |
研究概要 |
日本と中国の関連絶滅危惧植物種の保全と分子細胞遺伝学的特性評価に関する平成12年度の研究は、中国、四川省北部でユリ科ネギ属20種ならびにユキノシタ科ユキノシタ属、ネコノメソウ属、ウメバチソウ属、アジサイ属、スグリ属、ウツギ属、Rodgersia属を多数個体採集して持ち帰った。また、北部斉斉哈爾、哈爾浜方向でカヤツリグサ科カヤツリグサ属、ヒンジガヤツリ属、ホタルイ属、テンツキ属、ワタスゲ属、ハタガヤ属、ハリイ属、スゲ属、ヒゲハリスゲ属、そしてツバキ科ナツツバキ属、サカキ属、ヒサカキ属、バラ科バラ属、シモツケ属、ヘビイチゴ属、オランダイチゴ属、キジムシロ属、キイチゴ属、カバノキ科カバノキ属、ハンノキ属、クマシデ属を各数種数個体または種子を採集して持ち帰った。一方、日本では、シソ科イヌコウジュ属、キンポウゲ科キンポウゲ属、ボタン属、マンサク科マンサク属、トサミズキ属、キク科キク類を採集して、比較研究材料とした。 キク類では本課題で収集した中国産同士ならびに中国産と日本産の属間交配に努力し、未熟胚培養救助技術を使って、いままで成功例の無い組合せで多数の雑種作出に成功した。それらを使い、全ゲノム抽出、ゲノミック・インシチュ・ハイブリダイゼーションに新しいアイデアと技術改良を進め、分子細胞遺伝学的研究を発展させる論文をまとめ始めた。ネギ属では、種内倍数関係をもつ種を発見するとともに、中国と日本の同種の繁殖史戦略に大きな違いのあることを発見している。ユキノシタ属、ネコノメソウ属、Rodgersia属では四川省の全種の染色体を分析し、一部二倍体種を発見するとともに種内倍数関係もいくつか発見した。カヤツリグサ属、スゲ属、ヒゲハリスゲ属では分散動原体型染色体をもつために本年度も多数の異数体を発見し、rDNAの染色体上での位置関係を分析して種分化の道筋を検討中である。バラ属ではハマナス系、カバノキ属、ハンノキ属、クマシデ属の超小形染色体をもつ各種でrDNAの分析が成功裏に進められ、木本植物でも分子細胞遺伝学ができることを立証し、本課題研究のオリジナリテイを高めた。
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