研究課題/領域番号 |
10044213
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
駒野 照弥 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (00087131)
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研究分担者 |
井上 すみ子 ジョンソン医科大学, 生化学部, 準教授
古屋 伸久 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (50244413)
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キーワード | ミキソバクテリア / 形態形成 / 胞子形成 / fruA遺伝子 / fruB遺伝子 |
研究概要 |
ミキソバクテリアはグラム陰性細菌でありながら、真核生物である細胞性粘菌と類似の形態形成を行う。栄養増殖期には一般の細菌と同様に、二分裂の形で増殖するが、栄養を制限した寒天培地では、形態形成過程にはいる。細胞はグライディングと呼ばれる運動により集合し、マウンドを形成する。マウンド内部で個々の細胞は胞子に変換し、成熟胞子よりなるマウンドは子実体と呼ばれる。Myxococcus Xanthusを用いる系は、形態形成の過程で細胞間の情報交換が頻繁に起り、細菌で形態形成を解析できる非常にユニークな系である。fruA遺伝子は形態形成の初期に必須な分子質量25kDaの推定転写因子をコードする。本年度は、精製FruAタンパクまたはその断片タンパクを用いて、これが認識すると考えられるDNA塩基配列の検索を行った。またfruA変異株での形態形成時の遺伝子発現の変化を2次元電気泳動法で解析した。fruB遺伝子はfruAの上流約4kbに逆向きに存在し、その欠損は形態形成を著しく遅らせる。fruB遺伝子は2個のプロモーターを持ち、栄養増殖期は1個だけが発現しているが、形態形成時には2個とも発現することが明らかになった。fruB遺伝子の上流に新たなORF134が認められたことから、fruB遺伝子はオペロンとして転写されている可能性が示唆された。また井上は、msDNA生合成に必須な、リバーストランスクリプターゼに認識されるRNA配列をSELEX法で確認した。また、M.xanthusに少なくとも5種のコールドショックタンパクのホモログを確認した。興味深いことに、M.xanthusではこれらは構成的に発現していた。
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