研究課題
国際学術研究
緑色硫黄細菌Chlorobium tepidumから抽出精製した光化学反応中心(RC)の電子伝達体間の電子移動速度を閃光分光法によって研究した。RCには2個のcyt C_<551>が結合しているが、酸化された反応中心P840^+のcytによるみかけの還元速度は第1の閃光後の方が第2の閃光後よりも高かった。こ現象は、2つの結合cytがP840に関して円対称的に位置しており、電子伝達速度が他方の酸化還元状態によって影響されないというモデルによって説明することができる。緑色硫黄細菌RCは、フェレドキシン(Fd)を介してNAD(P)^+を直接還元することができる。細胞抽出液より、Fdを陰イオン交換クロマトグラフィーにより精製したところ、少なくとも4種のFdを含むことが分かり、そのうちの3つを各種のクロマトグラフィーにより更に精製し、そのN末端アミノ酸配列を決定した。Fd-NAD(P)^+レダクターゼ(FNR)活性を示すものには、少なくとも2種類があることが分かった。1つは、NADP^+に対する親和性が高く、他はNAD^+に対する親和性が高かった。緑色細菌RC、同Fd、ホウレンソウFNRの系では、3種のFdは親和性および最大反応速度に多少の差があるものの、いずれも高いNADP^+光還元活性を示した。緑色細菌Fdの代わりにホウレンソウFdを用いたときの活性は、前者に比べて約60%程度と低かった。この反応における緑色細菌RCの活性は、酸素に対する感受性が極めて高かった。
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