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1998 年度 実績報告書

ドレブリン含有シナプスの脳内分布

研究課題

研究課題/領域番号 10044237
研究機関群馬大学

研究代表者

白尾 智明  群馬大学, 医学部, 教授 (20171043)

研究分担者 関野 祐子  群馬大学, 医学部, 助手 (70138866)
キーワードドレブリン / シナプス / 老化 / アルツハイマー / 神経細胞 / 樹状突起
研究概要

1. アルツハイマー病の脳の生化学的、組織化学的解析を系統的に行った。共同研究者のハタンパ博士はドレブリンが他のシナプス機能蛋白に比し、特異的低下を示すことを発見した。また、同時に正常の老化に従うドレブリン発現量の低下をヒト脳を用いて示した。また、ラット脳を用いてドレブリン含有シナプスの発生過程における変化を免疫組織化学的に解析した。生後0日から20日までのウィスターラットをホルマリン固定後、脳組織切片を作製し、ABC染色法および免疫蛍光染色を行った。生後10日齢以前ではドレブリンの分布には大きな変化はなく、細胞体,軸索,樹状突起でドレブリンが観察された。ところが14日齢ではドレブリンの局在は、既に樹状突起スパインに変化し、細胞体ではドレブリンは観察されなくなっていた。
2. 上記のドレブリン分布の変化が初代培養神経細胞においても観察されるかどうかを調べた。培養開始7日後:ドレブリンは突起に多く存在し、ドレブリン抗体により突起が連続性に染色された。また、細胞体ではドレブリンは細胞膜直下に集積していた。この時期には樹状突起スパインが形成され始めるといわれているが、ドレブリンの斑点状の集積はまだ観察されなかった。培養開始14日後:ドレブリンの染色像はほとんと斑状のものばかりとなるが、まだ細い突起は連続的に染まっている。培養開始21日後:ドレブリンの染色像は斑状のものばかりとなり、シナプトフィシン抗体との二重染色の結果から、ドレブリンの集積している場所は樹状突起スパインであることがわかった。以上より、ドレブリンの樹状突起スパインへの局在化はシナプスの機能成熟に一致して起こることが明らかとなり、神経活動依存的に局在化が起こる可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] K.Hayashi: "Rapid conversion of drebrin isoforms during synapse formation in primary culture of cortical neurons." Devel.Brain.Res.111. 137-141 (1998)

  • [文献書誌] S.Shimohama: "Differential expression of rat brain synaptic prtoeins in development and aging." Biochem.Biophys.Res.Comm.251. 394-398 (1998)

  • [文献書誌] M.Toda: "Suppression of a actin-binding prtoein,drebrin,by antisense transfection inhibits neurite outgrowth in neuroblastoma B104 cells." Devl.Brain.Res.

  • [文献書誌] K.Hayashi: "Change in the shape of dendritic spines csused by overexpression of drebrin in cultured cortical neurons." J.Neurosci.

  • [文献書誌] K.Hatanpaa: "Aging of the human brain:Loss of synaptic proteins regulating plasticity" J.Neuropathol.and Exp.Neurol.

  • [文献書誌] T.Ochiishi: "High level of adenosine Al receptor-like immunoreactivity in the CA2/CA3 a region of the adult rat hippocampas" Neurosci.

  • [文献書誌] T.Shirao: "“Drebrin"in Guidebook to the Cytoskeletal and Motor Proteins" Oxoford University Press,

  • [文献書誌] T.Shirao: "Time-lapse video microscopic analysis of cell process formation from drebrin A eypressing fibroblast." Springer-verlag, 381-385 (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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