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1998 年度 実績報告書

受容体チロシンキナーゼのポリユビキチン化を触媒する酵素群の同定とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 10044239
研究機関千葉大学

研究代表者

森 聖二郎  千葉大学, 医学部, 助手 (50270848)

研究分担者 HELLMAN Ulf  Ludwig Institute for Cancer Research, Associate
齋藤 康  千葉大学, 医学部, 教授 (50101358)
キーワード血小板由来増殖因子 / ユピキチン / Cbl
研究概要

我々は、血小板由来増殖因子(PDGF)受容体をはじめとするモノマー構造を有する受容体チロシンキナーゼの多くが、リガンド刺激依存性にポリュビキチン化すること、ならびにポリュビキチン化された受容体は細胞内でプロテアソームにより速やかに分解されることを発見し、これが新しいタイプの受容体チロシンキナーゼのシグナル伝達メカニズムの一つであることを提唱してきた。本研究は、これらの研究成果を踏まえ、受容体ユビキチン化のより詳細な分子メカニズムを解明する目的で、この反応を触媒する酵素群の同定を企図したものである。本年度の研究により、プロトオンコジーンCblがPDGF受容体のユビキチン化に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。すなわち、Cblは我々が以前より同定していたPDGF受容体C末端上に存在するユビキチン化酵素結合部位にリガンド依存性に結合すること、またこの結合が受容体のユビキチン化に必須であることを発見した。さらに、v-Cblはc-Cblにドミナント・ネガティブに作用して受容体のユビキチン化を抑制することにより、受容体の増殖刺激活性を高めていることを明らかにした。この研究は、v-Cblのオンコジーンとしての作用発現メカニズムを明らかにした画期的発見であると自負している。さらにこの研究は、受容体ユビキチン化のメカニズムを分子レベルで明らかにする端緒となる研究成果と言える。今後は、おそらく複合体をなして機能していると想定されるユビキチン化酵素群の全容解明に向けて、Cblを足掛かりにさらに研究を進めて行く予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Koutaro Yokote,et al.: "Identification of Tyr-762 in the platelet-derived growth factor alpha-receptor as the binding site for Crk proteins" Oncogene. 16. 1229-1239 (1998)

  • [文献書誌] Ken Tamura,et al.: "Fibronectin stimulates transcription of the platelet-derived growth factor beta-receptor in cultured rat aortic smooth muscle cells" Biochem.Biophys.Res.Commun.251. 677-680 (1998)

  • [文献書誌] Taro Matsumoto,et al.: "Platelet-derived growth factor activates p38 mitogen activated protein kinase through Rasdependent pathway which is important for actin reorganization and cell migration" J.Biol.Chem.274(印刷中). (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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