研究課題/領域番号 |
10044240
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大塚 柳太郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60010071)
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研究分担者 |
ラマスタ バンティブ マヒドン大学, アセアン健康開発研究所, 助教授
カリム エナムール 疫学疾病予防研究所, 疫学部, 主任研究員
稲岡 司 熊本大学, 医学部, 講師 (60176386)
門司 和彦 ケンブリッジ大学, 生物人類学部, 客員研究員 (80166321)
ウオンコムトオン ソムア 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70282613)
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キーワード | プライマリヘルスケア / 環境のプライマリケア / 持続的開発 / 水利用 / 砒素汚染 / 農薬汚染 / 南アジア / 東南アジア |
研究概要 |
I. バングラデシュでの調査研究 ラッシャヒ州・ナワブガンジ県のシャダシプール村(世帯数約150)とシェルプール・バンダール村(世帯数約150)において、飲料水(井戸水)中の砒素・鉄・病原微生物(細菌)の測定、住民の皮膚症状の臨床観察、住民の生体計測、住民の尿・毛髪採取、住民の砒素汚染に関する知識・意識などに関するインタビュー調査を行った。現時点で分析が終了した主要な結果は以下の通りである。(1)対象地域の全井戸水(N=99)のうち36が、WHOによる最大許容濃度である0.051ppmをこえていた。また、砒素(As3+とAs5+)濃度と鉄(Fe2+とFe3+)濃度は概ね正に相関したが、検体間差も顕著にみられた。(2)手掌足底の角化症と体幹の色素脱出・色素沈着などに基づく砒素中毒症の皮膚症状有所見者は46.1%(334名中154名)であった。(3)砒素中毒という言葉を知っていたのは、成人の54.7%(497名中272名)であった。(4)病原微生物汚染についてはVibrio属の菌が多く、28.3%(28/99)の井戸水から検出された。 II. タイでの調査研究 ヤソトン県のプラテイウ地域(3村、約300世帯)とクチュン地域(2村、約250世帯)において、農薬の健康影響に着目し、尿中の残留濃度、生体計測、健康・再生産への影響(インタビュー調査)、摂取される魚類及び養魚池の水を採取し残留濃度の測定を行った。データは現在も分析中(主としてタイ側の研究分担者による)であるが、成人女性における残留農薬濃度は有機リン系のものが有機塩素系のものより顕著に高かった。再生産に与える影響については、約600名の既婚女性のレトロスペクティブなデータから乳児死亡率と幼児死亡率を指標に分析中である。
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