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1998 年度 実績報告書

下痢症ウイルスの分子疫学研究(国際間の比較)

研究課題

研究課題/領域番号 10044241
研究種目

国際学術研究

応募区分共同研究
研究機関東京大学

研究代表者

牛島 廣治  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10091068)

研究分担者 MULLER W  マインツ大学, 医学部, 教授
方 肇寅  中国予防医学科学院病毒学研究所, 腸管ウイルス室長(研
BIORN Grinde  ノルウエー国立公衆衛生院, ウイルス部, 室長(研究職)
温 楽英  中国予防医学科学院病毒学研究所, 助教授
西尾 治  国立公衆衛生院, 衛生微生物学部, 室長(研究職) (40270631)
キーワード下痢症ウイルス / 酵素抗体法 / RT-PCR / 分子疫学 / ロタウイルス / アデノウイルス / アストロウイルス / カリシウイルス
研究概要

現在、非細菌性下痢症ウイルスの診断は、ロタウイルス、アデノウイルスではラテックス凝集法・酵素抗体法で、アストロウイルスおよびカリシウイルスはRT-PCRでスクリーニングを行っている。また型決定は型特異モノクローナル抗体を用いた酵素抗体法、型特異プライマーを用いたRT-PCRで行っている。我々はアストロウイルスの1-8型特異プライマーを開発した。またカリシウイルスウイルスにも新しいプライマーを作製した。また、アストロウイルスの簡易診断のためラテックス凝集法を開発した。これらを用いて国内外の糞便検体からウイルス診断と分子疫学を行った。1)1984年から1997年の我が国7地域のロタウイルスの血清疫学では3756検体中1型が2649検体、2型が362検体、3型が232検体、4型が196検体であった。1型が優位である。1995年から1997年で9型も見出された。2)中国の小児におけるロタウイルスのVP4遺伝子、VP7遺伝子の分布を調べたところP[8]Glが主で、P[4]G2, P[4]Glなどがみられた。またP[4]Glなどのリアソータントウイルスも見られた。3)1997年から1998年のタイ国におけるロタウイルスは1型が多いものの2、3、4型も見出された。9型もわずかにあった。アストロウイルス、カリシウイルスの頻度は日本より少なかった。4)韓国に関しては今年度研究分担者を訪問し、採取を依頼した。台湾に関しては来年度に協力を得られるように検討中である。5)アデノウイルスの型別をPCR産物の制限酵素による切断パターンから行い40、41型が我国の糞便から見出された。現在国外の検体に関しても検討中である。6)日本、中国の下痢症ウイルスの月別の変動を見ると我国ではカリシウイルスが年の終わり(11-12月)に、ロタウイルスが(2月-3月)にピークが見られた。しかし中国ではロタウイルスは12月-2月を中心としており、日本の10年前の様な変動パターンであった。7)これらの成果は感染症学会、小児感染症学会、日米ウイルス専門部会などで報告した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Zhou Y,Ushijima H: "Serotypes of human rotaviruses in Τ regions of Japan from 1984 to 1997." Kansensho Gakkai-shi. 73(1). 35-42 (1999)

  • [文献書誌] Abe T,Ushijima H: "Viral infection-new concepts and treatment-infantile convulsion and viral infection" Brain & Development. 20(6). 392-392 (1998)

  • [文献書誌] Adhikary AK,Ushijima H: "Distribution of VP4 genotype and VP7 serotype among Chinese children" Acta Paediatrica Japonica. 40(12). 641-643 (1998)

  • [文献書誌] Cao X-R,Ushijima H: "Genetic variation in the VP4 gene and the NSP4 gene of human rotavirus serotype 3(G3 type)Bolated in China and Japan" Microbiol Immunol. 43(2). 171-175 (1999)

  • [文献書誌] Matsui M,Ushijima H: "Detection of serotypes of astroviruses by reverse transcription-polymerase chain reaction and homologies of the types by the sequencing of Japanese Isolates." Microbiol.Immunol.42. 539-547 (1998)

  • [文献書誌] Schroder HC,Ushijima H: "Mechanisms of prionse and HIVgP120 induced neuronal cell death." Newro Toxicology. 68. 683-688 (1998)

  • [文献書誌] 牛島廣治(分担): "内科臨床 リファレンスブック" 代表 井村裕夫(中山書店), 420(339-348) (1998)

  • [文献書誌] 牛島廣治(分担): "今日の治療指針" 代表 多賀須幸男(医学書院), 1494(182-185) (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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