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1999 年度 実績報告書

細胞表面におけるマトリックスメタロプロテアーゼ活性化機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10044244
研究機関東京大学

研究代表者

清木 元治  東京大学, 医科学研究所, 教授 (10154634)

研究分担者 伊藤 義文  東京大学, 医科学研究所, 助手 (70292852)
岡田 明子  東京大学, 医科学研究所, 助手 (00233320)
キーワードMMP / MT-1-MMP / ゼラチナーゼA
研究概要

MT1-MMPは我々が始めての膜型マトリックスメタロプロテアーゼとして報告した酵素である。この事によって細胞外基質分解を担当するMMPには可溶型酵素と膜型酵素が存在することが明らかとなった。可溶型酵素は産生細胞から離れた遠隔領域も含む広範囲の組織の分解と再構築に関与すると予想される一方で、膜型酵素は細胞に近接した領域の細胞外基質分解を担当することによって組織における細胞の増殖、運動、形態変化などを調節すると考えられる。また、MT1-MMPはこれまで活性化機構が不明であったゼラチナーゼAの活性化酵素である可能性を生化学的解析と組織学的な解析によってこれまでに示している。MT1-MMPが確かにゼラチナーゼAの活性化因子であることを証明するために、マウスゲノム遺伝子の第1エクソンから第4エクソンまでを相同組換えによってLacZ,Neo遺伝子に置き換えたマウスを作成した。MT1-MMP(-/-)マウスの着床と胎児の成長は正常でメンデルの法則に従った割合で得られた。正常マウスの胎児期にはMT1-MMPの高発現とゼラチナーゼAの活性化が見られる。しかしながら、胎児組織あるいはそこから単離した線維芽細胞ではMT1-MMPの発現を欠<と同時にゼラチナーゼAの活性化が起こらなかった。この事から、少なくともMT1-MMPが組織レベルで働くゼラチナーゼAの生理的な活性化因子であることは証明された。また、遺伝子欠損マウスでは観察しうる変化が見られないことから、何らかの機能的な代償システムが働いていると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Peters.T.J.et al.: "Differentiation-dependent expression of gelatinase B/matrix metalloproteinase-9 in trophoblast cells"Cell Tissue Res. 295. 287-296 (1999)

  • [文献書誌] Thant,A.A.et al.: "Ras pathway is required for the activation of MMP-2 secretion and for the invasion of src-transformed 3Y1"Oncogene. 18. 6555-6563 (1999)

  • [文献書誌] Sato,T.et al.: "Furin-independent pathway of Membrane Type1-Matrix Metalloproteinaze Activation in Rabbit Dermal Fibroblasts"J.Biol.Chem.. 274. 37280-37284 (1999)

  • [文献書誌] Akizawa,T.et al.: "Development and application of a microplate assay method for the mass screening of MMP inhibitors"Ann N Y Acad Sci. 878. 622-624 (1999)

  • [文献書誌] Noritake,H.et al.: "Overexpression of tissue inhibitor of matrix metalloproteinases-1(TIMP-1) in metastatic MDCK cells transformed by v-src"Clin Exp Metastasis.. 17. 105-110 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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