研究課題
国際学術研究
ヒトの先天奇形で知られるLanger-Giedeon症候群の原因遺伝子と推定されるスクアレンエポキシダーゼ遺伝子の塩基配列を決定し、第8染色体局在を明らかにした。遺伝子産物をコードする配列からアミノ酸の一次構造を推定し、各種酵素の組み換え体を作成し活性ある酵素の精製を行った。遺伝子異常症例の異常部位解析に取り組むため、酵素遺伝子のプロモーター領域の機能解析としてヒト及びラットの構造を比較決定し、更に転写開始点を決定するとともに典型的なステロールレギュレトリーエレメント(SRE)を認めないSEプロモーターの機能構造を目下解析中である。また、アミノ酸の置換体を用い酵素タンパクの機能ドメインとして推定される1)FAD結合ドメイン、2)基質結合ドメイン(スクアレシ及び酵素)、3)膜結合ドメイン、4)NADPH-チトクロームP-450還元酵素相互作用ドメインの機能解析を展開中である。膜結合ドメインに関してはPred.llプログラムによるコンピュータ解析から数個の膜結合部位を推定し、動物種による相違を明らかにできた。Langer-Gedeon症候群の1症例(米国)をSE遺伝子を用い目下解析中である。SE遺伝子の異常を検索するためには、臨床症状の他検体でのSE酵素活性異常の検出が不可欠で、現在biosensorでの測定法を開発中である。SE遺伝子の異常は、転写に関わるプロモーター領域の配列異常に基づく転写機能異常、遺伝子産物であるタンパク質のアミノ酸異常に基づく活性機能の異常、酵素の代謝回転異常などが関与すると推定されるが、異常解析のために必要な基盤はほぼ備わった。転写調節機構に関し核内レセプターLXRの機能に必要なLXREの発現がSEの発現と逆相関にあること汲びオキシステロールがリガンドである可能性を明らかにした。
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