研究課題/領域番号 |
10044254
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
向田 直史 金沢大学, がん研究所, 教授 (30182067)
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研究分担者 |
秋山 万里子 金沢大学, がん研究所, 助手 (60019867)
笠原 忠 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (60049096)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | インターロイキン8 / 単球走化因子(MCP-1) / 好中球 / マクロファージ / MIP-1α / 血管新生 / インターフェロンγ / 腎疾患 |
研究概要 |
本研究を通して、以下の研究成果を挙げた。 1)マウス・メスの排卵直後に膣局所で産生されるインターロイキン8(IL-8)ホモログが、性周期依存的に起きる好中球の膣粘膜への浸潤を制御していることを明らかにした。 2)モノクロタリン投与による実験的肺高血圧モデルで、肺局所で産生される単球走化因子(MCP-1)が、肺へのマクロファージ浸潤とそれに引き続く肺の組織障害を制御している事を明らかにした。 3)IgA腎症で、急性型では尿中IL-8が上昇するのに対して、腎不全に移行しやすい慢性型では尿中MCP-1濃度の上昇がIL-8に比べて顕著であるなど、病型によって腎局所でケモカインが選択的に産生される可能性を認めた。 3)半月板形成性腎炎では、腎臓内で産生されるmacrophage inflammatory protein-1α(MIP-1α)が半月板形成に関与するのに対して、MCP-1が間質病変の成立に関与していることを示唆する結果を得た。 4)IL-8遺伝子を導入した癌細胞株を接種すると、接種部位での血管新生とともに腫瘍形成が亢進する事から、IL-8の血管新生作用を確認した。腫瘍の壊死部の近傍でIL-8蛋白・mRNAの発現が認められた。壊死部の近傍は低酸素状態であると考えられるので、種々のがん細胞株を低酸素状態に暴露したところ、IL-8遺伝子の転写ならびに産生が誘導された。さらに胃癌組織中の癌細胞そのものが、IL-8レセプターを発現していることも明らかになった。 5)活性化補体第5成分(C5a)刺激によって、単球細胞株でNF-κBならびにAP-1が活性化されることによって、IL-8遺伝子転写ならびに蛋白産生が誘導されることが明らかになった。 6)急性肝障害モデルで、インターフェロンγの組織障害への関与を明らかにした。
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