研究概要 |
交際共同研究の初年度は中国予防医学研究所の劉教授及焦助手が来日し,研究用のBurkholderia cocovenerans菌株とモノクローン抗体を研究室に搬入した.Burkholderiacocoveneransには毒素産生株と毒素非産生株があるため焦助手はこれらの株のリボソームRNA配列を決定した所B.cocoveneransの基準株と同じ配列を持つことを確認した.これらの株が遺伝学的にB.cocoveneransの基準株と同等であるかを調べるため定量的DNA/DNAハイブリッド法で測定したところ,80%以上の類似度を示し,分類学的に同一種に属する株であることが判明した.ところがコントロールに使用したB.glagioliとの定量的DNA/DNAハイブリッド法のデータではB.glagioliとB.cocoveneransが80%以上の類似度があり,分類学的に同一種であることが判明した. 命名上の優先権からB.cocoveneransはB.glagioliの同義語とみなされ,命名上の地位を失うこととなった. しかしB.cocoveneransの中には致死毒を生産する株がありB.glagioliの中に含めてしまうのは危険であると判断し現在B.cocoveneransの毒素産生株をB.glagioliの病原型(pathovar)と位置ずけ,分類学的な提案を行うこととした(論文投稿中). またリボソームRNAの配列からこの菌種を特異的に検出するプライマーを作成し,食品から本菌の検出を行う方法を作成した(投稿準備中).
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