研究分担者 |
WRAY Victor 国立バイオテクノロジー研究所, 主任研究員
丸中 良典 トロント大学, 細胞分子生理部門, 助教授
北川 元二 名古屋大学, 医学部, 助手 (80262898)
CASE R.M. マンチェスター大学, 生理学, 教授
成瀬 達 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50180550)
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研究概要 |
(1) モルモットの膵臓から単離した小葉間膵管(径100-150μm)を用いて,その分泌液の量(1時間で数nl)とpH(HCO_3^-濃度)を,マイクロフルオロメトリーと画像解析を組み合わせて測定することに成功した。最もHCO_3^-輸送機能が発達した上皮細胞において,HCO_3^-分泌を担っているイオン輸送担体を解析した。Na^+-HCO_3^--cotransportが血管側から膵導管細胞内へのHCO_3^-の取り込みのほとんどを担っていることを明らかにした。さらにHC_3^--conductanceが膵導管細胞内から膵管内へのHCO_3^-分泌を担っている可能性が高いことを示した。 (2) HCO_3^-分泌の能動輸送にともなう水の輸送ルートについては,最近注目されているアクアポリンの分子生物学的研究も軌道にのった。ラットの肝臓から新しいアクアポリンをクローニングした。 (3) 生体レベル(in vivo)におけるイオン輸送の調節の研究も併行して進めている。ラットの空腸ループの腔内にグアニリン,ウログアニリンを投与すると耐熱性エンテロトキシンと同様に管腔内へ水が輸送されることを明らかにした。 (4) 胃瘻,十二指腸瘻を作成したビーグル犬の膵動脈に血流プローベを埋め込み,意識下に,膵血流と膵液分泌の変化を同時に測定することに成功した。膵臓からの水分泌を刺激するPACAP/secretin/VIP familyペプッチドの影響を検討した。PACAPとVIPはミルクを経口摂取させた場合と同等の膵血流の増加(膵内血管の拡張)を引き起こした。一方、最も強力に膵液分泌を刺激するセクレチンはほとんど膵血流に変化を及ぼさなかった。
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