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1999 年度 実績報告書

種々の病態における新しいカルシウムシグナリングのゲノム薬理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10044267
研究機関三重大学

研究代表者

田中 利男  三重大学, 医学部, 教授 (00135443)

研究分担者 西村 有平  三重大学, 医学部, 助手 (30303720)
中 充子  三重大学, 医学部, 助手 (10093139)
キーワードS100ファミリー / S100C / 病態 / 遺伝子発現 / カルシウム / アクチン結合タンパク質
研究概要

我々は長年にわたりカルシウム結合蛋白質の機能について、カルシウム結合蛋白質阻害剤を使用する薬理学的研究法により、カルシウム結合蛋白質の生理機能を明らかにしてきた。本研究ではこうした実績をもとに、新しく見出したカルシウム結合蛋白質S100Cの詳細な生理的、病態的、薬理学的研究を行うものである。我々が新しく見出したS100Cは、前年度までの国際学術共同研究において、虚血心筋保護に関与する可能性を見出している。さらに細胞周期依存性の遺伝子発現変化を明らかにし、さらに病態モデル動物において異常発現することを見出している。平成11年度は(1)ヒトS100Cの遺伝子発現を成人と胎児の組織化学的解析を行った。ヒトS100Cは成人の胎盤に最も多く、成人心臓、成人と胎児の肺と腎臓、成人膵臓に中程度に存在したが、骨格筋や肝臓には少なく、成人と胎児ともに脳には認められなかった。しかし、S100Cは大脳の悪性腫瘍であるグリオブラストーマ細胞には存在し、しかも、腫瘍細胞の状態により細胞分布が核から細胞質に変化するなど他のS100ファミリーとは異なる性質があることが明らかになった。現在、腫瘍の悪性化や転移との関係などさらに検討中である。(2)S100Cの標的蛋白質の検索を行い、新しい標的タンパク質を見出し、同定した。S100Cは平滑筋に多いことはすでに報告しているが、今回、アクチンに結合し、ミオシンとの相互作用を阻害することを見い出した。更に、多くのアクチン結合タンパク質中でS100Cは、新しいアクチン結合部位を持つことも明らかになった。これらのことから、生体内での新しい機能を担っている可能性も考えられるので、更に生理機能について検討中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kondo A: "Transcriptional and Posttranscriptional Regulation of Monocyte Chemoattractant Protein-3 Gene Expression in Human Endothelial Cells by Phorbol Ester and caMP Signaling"Immunology. (in press). (2000)

  • [文献書誌] Zhao XQ: "Ca(2+)-dependent inhibition of actin-activated myosinATPase activity by S100C(S100A11), a novel member of the S100 protein family"Biochem Biophys Res Commun. 267・1. 77-79 (2000)

  • [文献書誌] Suzuki H: "Heme oxygenase-1 gene induction as an intrinsicregulation against delayed cerebral vasospasm in rats"J Clin Invest. 104・1. 59-66 (1999)

  • [文献書誌] Yuasa U: "Regulatory mechanisms of calponin phosphorylation inendothelin-1-induced contraction of porcine coronaryartery"J Mol Cell Cardiol. 31・6. 1281-1287 (1999)

  • [文献書誌] Inada H: "Human S100A11 exhibits differential steady-state RNAlevels in various tissues and a distinct subcellularlocalization"Biochem Biophys Res Commun. 263・1. 135-138 (1999)

  • [文献書誌] Nishimura Y: "Molecular Cloning and Characterization of Mammalian Homologues of Vesicle-Associated Membrane Protein-Associated (VAMP-Associated) Proteins"Biochem Biophys Res Commun. 254・1. 21-26 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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