研究課題/領域番号 |
10044277
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
家森 幸男 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (80025600)
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研究分担者 |
劉 隆健 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助手
水嶋 春朔 横浜市立大学, 医学部・公衆衛生学教室, 助教授 (60281739)
奈良 安雄 東亜大学, 大学院・学術研究科, 教授 (80116417)
LIU Longjian Graduate School Human and Environmental Studies, kyoto Univ Assistant
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 高血圧 / 肥満 / 心筋梗塞 / アフリカ / スコットランド / 酸化ストレス / イソフラボン / 疫学調査 |
研究概要 |
日仏共同研究で実施する項目、抗酸化栄養素などの分析法の標準化と生体内の酸化ストレスの評価法の検討のためにルノー博士を日本に招いた。 生活の欧米化に伴い虚血性心疾患が急激に増加したダルエスサラーム住民と伝統的食生活を営むアフリカ人の中でもコレステロール摂取の多いマサイ族とそれが少ない農耕民(ハンデニ族)を対象として、血圧測定、心電図、脈波伝達速度などを測定するとともに採血と24時間尿採取を実施した。都市住民では高血圧、肥満の男女の頻度が1987年の30〜40%に比べ50〜60%に増加し、心電図異常が有意に増加し、脈波伝達速度は伝統的生活を営む農耕、遊牧民より速く、動脈硬化が促進し、循環器疾患のリスクが増加していることを明らかにした。 また、フレンチパラドックスの原因を分析するためにスコットランドの典型的なライフスタイルを有するSkye島とLewis島住民の検診を実施し、これらの地域における栄養疫学臨床研究を実施した。検診後、血圧の高めの女性60人にイソフラボン50mgを含むジェリーを食べていただき、1ヶ月目に採血、採尿をし、血圧測定を行った。この結果、イソフラボン群ではプラセボ群に比べて有意な降圧が見られ、さらに骨造成のマーカーである血中オステオカルシンは増加していた。従って、大豆食の摂取が更年期女性の血圧の上昇を抑制し、骨形成を促進する可能性が示された。 食生活が確実に欧米化しつつある日本においても、今後増加すると予想される心筋梗塞や骨粗鬆症の一次予防を実現するためには、大豆などの日本の伝統色を保全することが重要であることが示された。
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