研究課題/領域番号 |
10044282
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
島田 和典 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (40037354)
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研究分担者 |
東中川 徹 早稲田大学, 教育学部・生物学科, 教授 (70131935)
西口 聖治 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90237686)
瀧原 義宏 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (60226967)
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キーワード | ポリコーム遺伝子群 / rae28遺伝子 / Scmhl遺伝子 / 造血幹細胞 / Hoxb3遺伝子 / 遺伝子発現維持 / レトロウイルス |
研究概要 |
(1)造血幹細胞を検出するアッセイ系を駆使し、ポリコーム遺伝子群の一つrae28の遺伝子欠損マウスにおいては、造血幹細胞の機能維持が損なわれていることを明らかにした。造血幹細胞の異常は発生の進行に伴って造血ヒエラルキーの上位から波及的に進行し、造血幹細胞の自己複製が障害されていることが推測された。これらの造血障害はrae28の遺伝子量依存的に生ずることがわかった。(2)レトロウイルスベクターにrae28cDNA及びマーカーとしてGFPを組み込み、レトロウイルスを作製した。NlH3T3細胞を用いて、感染効率が十分高く、感染細胞にrae28タンパク質が高発現していることを確認し、rae28の高発現系確立に使用できるレトロウイルスであることを確認した。今後、造血幹細胞に導入し、造血幹細胞の動態制御を試みる予定である。(3)ポリコーム遺伝子群の遺伝子産物は複合体を形成し、染色体タンパク質として機能していることが推測されるが、rae28と複合体を形成する新たなポリコーム遺伝子群Scmh1のマウス及びヒトcDNAを単離し、構造及び発現を明らかにした。(4)rae28遺伝子によって制御されることを既に明らかにしているHoxb3遺伝子の転写制御領域とレポーター遺伝子を有するトランスジェニックマウスとrae28遺伝子欠損マウスを交配し、ポリコーム複合体によって制御を受けるcisエレメントを探索したが、現在のところ同定には至っていない。
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